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「“殺してやる”と罵られても」「ジェフは酷いということか」オシムや悪童FW、年俸120円Jリーガーの本音<2020名言&珍言>
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byTakao Yamada/Takuya Sugiyama
posted2020/12/28 06:01
オシム、エメルソン……サッカー界それぞれの立場の人たちの言葉の重みを噛みしめたい
<名言2>
Jリーガーになるっていうこの挑戦を始めたときに、一度お金から離れたわけじゃないですか。何かをつかむためには、何かを手放さないといけない。
(安彦考真/NumberWeb 2020年11月8日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/845715
◇解説◇
J3に所属するY.S.C.C.横浜は2019年度のクラブ経営開示資料において、営業利益が2億400万円と最も規模の小さいJリーグクラブである。2020シーズンも17位に終わったとはいえ、シュタルフ悠紀リヒャルト監督の下で必死の戦いを繰り広げた。
その中にあって異例のJリーガーとして注目されたのが、安彦だ。かつてブラジル留学を経てプロ選手を目指しながらもケガもあって指導者に転身。しかしプレーヤーとしての夢を諦められず2018年水戸ホーリーホックに加入した男は、翌年YS横浜と「年俸120円」という契約条件を結んだことが話題になった。
実は安彦には個人スポンサー契約で月20万円ほどの収入があったという。しかし2020年は自ら辞退したという。今季限りでの現役引退を決めていた本人は、このように語っている。
「決まって入ってくるお金があると、どうしても甘えちゃうんですよね。凄くありがたいんですけど、最後この1年って決めたし、自分を追い込む意味もあって。(中略)あれもこれも持っていたら、つかめないという思いが自分のなかにはある。だから(お金を)手放したんです」
迎えた2020年、コロナ禍の中でも安彦は5試合に出場。最後までサッカーと純粋に向き合って走り切ったのだ。