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広島・佐藤寿人がザックジャパンへ!
招集直前に語っていた代表への想い。 

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細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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posted2012/10/12 10:30

広島・佐藤寿人がザックジャパンへ!招集直前に語っていた代表への想い。<Number Web> photograph by AFLO

ゴールを決めるという本質に特化した佐藤寿人は、まさに純粋なストライカーと呼ぶに相応しい。代表でもその得点力を発揮できるか。

 今月4日、インタビュー取材のためサンフレッチェ広島の佐藤寿人を訪ねた。インタビューのメインテーマは、いよいよクライマックスに突入しつつあるJリーグ。首位を快走する広島のリーダーとして、得点王ランキングでも首位をひた走るストライカーに好調の要因を求めたのである。

 午前10時過ぎに始まった練習は2時間ほどで終了し、昼食を経てインタビューの席が設けられた。与えられた時間は1時間。撮影に15分かかるため、実際に話を聞く時間は45分程度である。

 最初の5分間はウォームアップを兼ねた雑談。次の30分はメインテーマである広島の好調についてその要因を探り、残りの10分は再び雑談に戻しつつ、突如として降ってくる“聞いてみたいこと”を聞く。そんな流れを頭に入れて、インタビューに臨んだ。

“聞いてみたいこと”の中には、もちろん日本代表に関する話題も含まれている。しかしもう何度も聞かれたであろうこの話題については、話を聞くこちらとしてもやや気後れした。自分とは無関係のチームについて、口を開きたがらない選手もいる。気持ちはわかる。それでも残り時間が5分を切ったところで、ついに切り出してみた。

代表での自分の役割に悩み、辿り着いた“達観”の境地。

――あの……代表についての話も少しお聞きしたいんですけど。

「はい。え? 僕自身のことですか?」

――もちろん。ただ、きっといろんな人から言われていると思うので。

「そうですね、はい」

――もしかしたら少し嫌な思いもされているんじゃないかと。

「いやいや、それはないですよ。大丈夫です。聞いてください」

 寿人との代表に関するインタビューは、予定時間を10分オーバーして15分間に及んだ。話を終えて感じたのは、日本代表のユニフォームに袖を通すことに対する彼の、もはや“達観”とも言える晴々とした心境だった。おそらく、揺れて、揺れて、ようやくそこに辿り着いたのだろう。

「考え方は変わりましたね。若い頃は、どんなポジションでも、どういう使われ方をしても入りたいという思いは確かにありました。でも、実際は難しい。例えば同じ控えの選手でも、他の選手はそのポジションで普段からレギュラーとしてプレーしているわけですよね。だから、彼らの出場時間が10分なら、僕は5分。その短い時間にすべてを懸けて良い準備をして、しかも結果を残さないといけない。もちろん僕自身にも譲れない部分はあるわけで、違うポジションで勝負する分、難しさも感じるし、ストレスも感じる。5分や10分で結果を出すって、やっぱり難しい」

【次ページ】 「とにかく結果を出さなければ代表では生き残れない」

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