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原監督「39秒」対工藤監督「7分29秒」の差 巨人番記者は「あんな投手、セ・リーグにはいない…」

posted2020/11/23 17:03

 
原監督「39秒」対工藤監督「7分29秒」の差 巨人番記者は「あんな投手、セ・リーグにはいない…」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

7回1死満塁でダメ押しの満塁本塁打を放ったデスパイネ

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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Hideki Sugiyama

 日本シリーズ第2戦の試合後だ。ジャイアンツ原辰徳監督の囲み取材がわずか「39秒」だったと大々的に報じられた一方で、ホークスの工藤公康監督は普段とさほど変わらない「7分29秒」をかけて戦況を振り返った。

 ホークスが先勝して迎えたこの試合は大差がついた。しかも、下手すれば1回の攻防だけで勝敗の行方が見えた戦いになってしまった。

「初回に得点をとれたのが一番大きかったと思います」と工藤監督。先攻のホークスは1回表に3点を奪った。左投手今村信貴の先発により2番スタメンで起用された川島慶三がきっちり選んだフォアボールで出塁。3番・柳田悠岐の豪快フルスイングから生まれた中越え適時二塁打で早々に先制点を奪った。続く4番・グラシアルの打球は二遊間への強いゴロ。これを巨人二塁手の吉川尚輝が横っ飛びでキャッチしたまでは良かったが、タイミング的に間に合わない一塁へ無理に投げたボールが大きく逸れて、その間に二塁走者が生還しホークスに2点目が入った。その後1アウト一、三塁からデスパイネの内野ゴロの間に3点目だ。

「1回に続いてもう1点とる。相手としてはこれ以上(点を)やれないと考える中で、一発でとれたのがよかった」

「あれが入るのか」

 続けて工藤監督が口にしたのは2回表の追加点の場面だ。1アウト走者なしから9番捕手の甲斐拓也が「マン振り」のフルスイングで打球をバックスクリーン左へ一直線に運んだ。試合前には「日本シリーズというところを考えれば、打つことよりも守りを重視してくれればいい」と話していた工藤監督を、1人の記者がいたずらっぽくその話題へと持っていく。これには工藤監督も照れ笑いを浮かべながら「そりゃ打ってくれるに越したことはないですよ。あれこれ求めるのは良くないかもしれないから、冗談っぽく『打ってくれよ』といつも声を掛けています。ただ本音としては抑えてくれる方に集中してくれれば、彼の役割としては十分だと思っています」と丸い目を三日月型にした。

 さらに話はグラシアル、デスパイネのキューバ勢アベック本塁打へと及んでいく。グラシアルは3回、左中間へ弾丸ライナーの2ランを放った。個人的にはかつてホークスやバファローズなどに在籍した“怪力”ペーニャが脳裏によぎった。「あれが入るのか」という低い独特な軌道を描いた規格外の本塁打に見えた。この時点で6対0だ。そしてデスパイネの一発は7回に飛び出した満塁本塁打だ。11対2としたダメ押しのアーチ。ホークスは最終回にも相手ミスで2点を加えて、最終的には13対2の圧勝だった。

【次ページ】じつは13点は今季最多

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