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原巨人“論ずるに値しない連敗”…絶望のスタンド席「お前さんたち、このまま終わっていいのか?」
posted2020/11/23 17:02
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Nanae Suzuki
絶望感と徒労感。京セラドームの上段中央席スタンドは、まるで受験に派手にしくじった帰りのバスの中のような雰囲気だった。
4連敗の去年より勉強したし今年こそいけるかもな……と臨んだら、何点足りないとかどこが間違っていたとか答え合わせをする気力すらない惨敗。日本シリーズ初戦をエース菅野智之で落とした翌22日の負けられない第2戦7回表、ソフトバンクのデスパイネの満塁アーチで11対2と突き放された瞬間、多くの巨人ファンは沈黙し、試合後の規制退場を避けるために荷物をまとめ席を立つG党の姿も目立った。
原監督1067勝記念Tシャツ姿の俺も思わず動揺して、売店に走り野球場の席で超食べにくい汁物の札幌醤油ラーメンを買ってしまう失態だ。13対2で迎えた9回裏二死からのウィーラーの二ゴロに対するリクエスト(判定変わらずアウトで試合終了)は、元恋人にフラれた理由を聞きにいくような間違いなく人生で最も虚しいリクエストだった。
「検温完了証」とアルコール販売なしのスタンド
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、予定より約3カ月遅れて始まった2020年のプロ野球。各球団前例のないコロナ禍に悩まされながら120試合制のペナントレースを完走し、例年ならオフシーズンに突入している11月21日に日本シリーズは開幕した。それも、巨人のホームスタジアム東京ドームは社会人の都市対抗野球で使用中のため、40年ぶりに本拠地以外で開催されることになった。