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【日本シリーズ】ミスター“謎のロダン発言”にMVP松井秀喜、城島健司vs工藤公康…「ONシリーズ」逸話

posted2020/11/21 11:02

 
【日本シリーズ】ミスター“謎のロダン発言”にMVP松井秀喜、城島健司vs工藤公康…「ONシリーズ」逸話<Number Web> photograph by Kyodo News

2000年の日本シリーズは王貞治監督と長嶋茂雄監督の「ONシリーズ」として日本列島を沸かせた

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 21日、いよいよ2020年のプロ野球の総決算である日本シリーズが開幕する。巨人とソフトバンクが2年連続で激突するシリーズとなるが、ちょうど20年前の2000年は当時の長嶋茂雄監督と王貞治監督が率いた「ONシリーズ」として大きな盛り上がりを見せた。

 その当時の試合結果を「Number」に掲載されたコメント、当時の主力だった選手たちの懐かしの写真とともに振り返ってみる(NumberWeb以外のサイトでお読みの方は関連記事『【貴重写真】ヤンチャそうな若き由伸、松井、城島、井口、激レアな原&工藤、王&長嶋の現役時代を見る(20枚超)』よりご覧ください)。

<第1戦>
H 010 000 202|5
G 210 000 000|3
勝    吉田(1勝)
敗    槙原(1敗)
S    ペドラザ(1S)
本塁打[H]城島1号(2回1点工藤)、松中1号(7回2点工藤)、ニエベス1号(9回1点槙原)[G]松井1号(1回2点若田部)

<第2戦>
H 000 060 200|8
G 021 000 000|3
勝    渡辺正(1勝)
敗    メイ(1敗)
本塁打[H]城島2号(7回2点三沢)

豪華絢爛だった両チームの陣容

 当時の両チームは超強力な打線のラインナップが売りだった。長嶋監督は自軍に「ミレニアム打線」と名付けていた。

 両チームの第1戦スタメンの打順を見てみよう。

・ダイエー
1 中 柴原洋
2 二 鳥越裕介
3 左 大道典良
4 三 小久保裕紀
5 一 松中信彦
6 捕 城島健司
7 右 秋山幸二
8 遊 井口忠仁
9 投 若田部健一

・巨人
1 二 仁志敏久
2 左 清水隆行
3 右 高橋由伸
4 中 松井秀喜
5 一 清原和博
6 三 江藤智
7 遊 二岡智宏
8 捕 村田善則
9 投 工藤公康

 全て日本人選手であると同時に城島、秋山、井口、江藤、二岡といった長打力を持つバッターが下位打線に控える。ベンチを見ても村松有人、吉永幸一郎、元木大介、川相昌弘らが控える陣容は今見ても豪華絢爛と言えるだろう。

 そんな高揚感の中で迎えた第1戦、早めに動いたのは王監督だった。1-3でリードされている5回に、先発・若田部を交代して継投策に打って出て、打線の反撃を待った。

 王監督は当時、このように話している(以下すべて、出典はNumber509号)。

「他からどう思われようが、これがうちのパターンなんですよ。(中略)奇襲とか変化とかは、弱いチームのやること。少なくとも、うちは昨年の日本一のチームなんです」

 ダイエーは7回、松中が前年まで同僚だった工藤から2ランを放って同点に追いつくと、9回に巨人のストッパー槙原寛己も攻略して先勝した。

 続く第2戦もダイエー打線の勢いは止まらなかった。3回までに3点を先制されながら、5回に巨人先発メイの乱調をつくと打者一巡の猛攻で6点を奪った。優位の状況でダメ押ししたのは城島。7回に2試合連続となる2ランを放って連勝スタートを切った。

【次ページ】 斎藤雅樹は「ロダンじゃありません」

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柴原洋
鳥越裕介
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井口忠仁
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仁志敏久
清水隆行
高橋由伸
松井秀喜
清原和博
江藤智
二岡智弘
村田善則
工藤公康
斎藤雅樹
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