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【記録で日本S展望】“巨人不利”を覆すには…カギは菅野智之以外の先発、全試合DHと“あの助っ人” 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byNaoya Sanuki/Hideki Sugiyama

posted2020/11/20 11:05

【記録で日本S展望】“巨人不利”を覆すには…カギは菅野智之以外の先発、全試合DHと“あの助っ人”<Number Web> photograph by Naoya Sanuki/Hideki Sugiyama

原辰徳監督率いる巨人と、工藤公康監督率いるソフトバンク。2年連続の同カードは果たして雪辱か、返り討ちか

菅野が絶対的な巨人、ホークスは……

 短期決戦は、先発投手の一騎打ちになる可能性が高い。

 巨人菅野とソフトバンク千賀、リーグを代表する両エースの対戦には胸が躍る。互角の勝負ではあろう。ただし2番手以下の対戦を考えると、巨人の先発投手陣は少しずつソフトバンクよりも見劣りする印象がある。

 ここへきてソフトバンク2番手の東浜巨が肩の不調で登録を外れた。そこで6番目の先発の笠谷を急遽加えて比較する。

 それでも2番手以下の対戦を考えると、巨人の先発投手陣は少しずつソフトバンクよりも見劣りする印象がある。2番手から5番手までの投手の勝敗の合計で見れば、巨人の26勝16敗に対し、ソフトバンクは29勝11敗だ。

 巨人は菅野智之という絶対的なエースを中心にペナントレースを戦ってきた。いわゆる「エースシステム」で勝ってきたのだ。若手の戸郷がそれに次ぐが、チームの信頼感には大きな差がある。

 しかしソフトバンクは、千賀というエースはいるものの東浜、石川、ムーア、和田とタイプの違う優秀な先発陣で回してきた。この戦い方の違いが、短期決戦では明暗を分ける可能性が高くなる。1戦目では互角でも、2戦目以降でじりじり差がつくのだ。

 東浜の戦線離脱は巨人にとっては戦力差を詰める意味でプラスではある。しかし巨人は菅野以外の先発陣が踏ん張らないと厳しいのは変わらない。

リリーフ陣を見てみると

 続いては主なリリーフ陣も見ていこう。※はシーズン中に先発をしていたものの、救援としての登板が予想される選手だ。

・巨人
<セットアッパー>
高梨雄平
44試1勝1敗2SV 21HD 37.1回 防御率1.93
大竹寛
29試1勝2敗0SV 16HD 24.1回 防御率2.59
鍵谷陽平
46試3勝1敗0SV 13HD 37.1回 防御率2.89
大江竜聖
43試3勝0敗0SV 9HD 37.2回 防御率3.11
メルセデス※
11試4勝4敗0SV 0HD 58回 防御率3.10
田口麗斗※
26試5勝7敗1SV 2HD 89.1回 防御率4.63
<クローザー>
デラロサ
35試2勝0敗17SV 5HD 31.2回 防御率2.56
中川皓太
37試2勝1敗6SV 15HD 36回 防御率1.00

・ソフトバンク
<セットアッパー>
モイネロ
50試2勝3敗1SV 38HD 48回 防御率1.69
嘉弥真新也
50試3勝1敗0SV 18HD 30回 防御率2.10
泉圭輔
40試0勝1敗0SV 8HD 34.2回 防御率2.08
高橋礼
52試4勝2敗0SV 23HD 51回 防御率2.65
松本裕樹
25試0勝1敗0SV 6HD 28.1回 防御率3.49
<クローザー>
森唯斗 52試1勝1敗32SV 6HD 51.1回 防御率2.28

【次ページ】 クローザーに関して言えば……

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