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批判覚悟も…本田圭佑、ボタフォゴ再建案“22連続ツイート”は空振り? 思い出すミランでの過去

posted2020/11/15 17:02

 
批判覚悟も…本田圭佑、ボタフォゴ再建案“22連続ツイート”は空振り? 思い出すミランでの過去<Number Web> photograph by Getty Images

日本では“歯に衣着せぬ”タイプとして見られる本田圭佑だが、ブラジルの人々にはどのように映っているのか

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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 11月6日、本田圭佑がボタフォゴに“爆弾”を投下した。

 ツイッターを22連投し、クラブ財政とチーム成績の両面で厳しい状況に置かれているボタフォゴの再建案を発表した(原文はポルトガル語。本田が英語でブラジル人の個人通訳に伝え、通訳がそれを翻訳したようだ)。

 ここには、本田のクラブ運営に関する基本的な考え方がある。日本のファンにとっても興味深い部分が含まれていると思うので、かなり長いが全文を紹介する(日本語訳は筆者)。

ピッチでベストを尽くす以外の部分でも

◆◆◆◆◆

 ボタフォゴを愛するすべての人へ

 僕がブラジルへやって来て、早くも9カ月が過ぎました。

 コパ・ド・ブラジルで敗退し、ファンの期待に応えられなかったことをまだ悔やんでいます。でも、起きたことは覆せない。今の状況を良く分析し、ブラジルリーグの残りの試合に集中したいと思います。

 そして、ピッチでベストを尽くす以外の部分でもボタフォゴの役に立ちたいと考え、この文章を綴っています。

 僕が話すことは、ひょっとしたら一部の人を怒らせるかもしれない。でも、誰かを侮辱したり傷つけたりする意図はないことを理解してください。

 ボタフォゴが変わるためには、いくつかのことが必要だと考えています。もし僕がこのビジョンを示さなければファンの不満と懸念は解消されないと思うので、今日、ここで話をします。

<財政上の問題>
 今季に限らず以前から、ボタフォゴは財政上の問題を抱えています。これは世界中の多くのクラブに共通する問題でもあります。解決するのは可能だと思いますが、それには我々の考え方を変える必要があります。最初の一歩は、経費削減です。

 最も大切なのは、短期間に収入を増やそうと思わないこと。なぜなら、そのためには外部の人や企業からの投資を仰がなくてはならないからです。

 もし外部からお金が入ったら、ファンは期待を膨らませ、投資家はその期待に応えようと多額の金を使って良い選手を獲得しようとするでしょう。もしクラブが良い成績を残せば、ファンはさらに大きな期待を抱き、投資家はチーム強化のためさらに多額の資金を投じるはずです。

 この循環をずっと続けることができたら、問題はありません。しかし、残念ながらそれは不可能です。やがて巨額の資金を投下しても目標を達成できなくなり、ファンは不満を抱く。期待が大きくなって、物事が計画通りに運ばなければ、人々は失望する。

 そうなると、投資家はもはやファンの期待に応えることができず、ファンから批判を浴びる。

 最終的に、投資家はクラブを去る。そして、クラブは今と同じ状態に戻ります。そして、短期間に収入を増やそうと再び外部から投資家を募る、という同じ過ちを繰り返すでしょう。

 大切なのは短期間に収入を増やそうとするのではなく、経費を抑え、限られた予算でこの困難なブラジルリーグを戦うことです。

【次ページ】 まだまだ続く本田の熱いツイート

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