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批判覚悟も…本田圭佑、ボタフォゴ再建案“22連続ツイート”は空振り? 思い出すミランでの過去 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2020/11/15 17:02

批判覚悟も…本田圭佑、ボタフォゴ再建案“22連続ツイート”は空振り? 思い出すミランでの過去<Number Web> photograph by Getty Images

日本では“歯に衣着せぬ”タイプとして見られる本田圭佑だが、ブラジルの人々にはどのように映っているのか

提言には難しい問題もはらんでいる

 個人的には、本田の提言には必ずしも賛同しない部分がある。

 経費節減は当然必要だ。しかし、現代のフットボールでクラブが外部からの資金なしで強化を図るのは極めて困難だ。

 欧州の相当数のクラブが石油成金、中東の国の政府関係機関、外国人投資家らからの資金で財政状態を大幅に改善し、継続的なチーム強化を実現している。重要なのは投資家の選定であり、投資家がクラブを長期的に強化するプランと意思があれば問題ないのではないか。また、現実問題として、ボタフォゴが抱える巨額の負債を外部からの資金なしで返済するのは不可能だろう。

 ファンのクラブ運営への参加に関しても、現実味に乏しいと感じる。

 ブラジルの大半のクラブと同様、ボタフォゴはクラブ運営に興味と関心と意欲を持つソシオの中から会長以下の役員が選ばれて任務を遂行している。間接的ではあるが、ソシオやファンの意見はクラブ運営に反映されている。

 また、ファンからの出資を収入の柱とすることを提案しているが、すでにファンはソシオになったり試合のチケットやグッズを買うことでクラブ財政を援助している。これ以外のプランがあるのかもしれないが、具体案は示されていない。

5年前のミラン時代にもあった“爆弾発言”

 今回の本田の発言を聞いて思い出すのは、ACミラン在籍中の2015年10月、チームの成績が低迷し、自身も控えの立場に置かれていた状況で、ホームゲームで大敗した後、日本のメディアに対して放った爆弾発言だ。

 まず「(自分が)なんで試合に出られなくなったのかわからない。こういう戦いをしていて、出られるチャンスがない方がおかしい」と監督を批判。そのあとは「(プレーの)評価基準をメディアからファンから監督から経営陣から全員がもし変えることができれば、大きく再建につながるんじゃないかな」、「これでユーべが弱くなったら、本当にイタリアは危ないですよ」とACミランの経営陣や監督、メディア、ファン、さらにはイタリアのフットボールも批判した。

【次ページ】 ブラジルで批判を浴びない理由とは

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