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三好康児、板倉滉、脇坂泰斗、田中碧…アカデミー出身者が語った中村憲剛「知らない世界を教えくれる」 

text by

林遼平

林遼平Ryohei Hayashi

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photograph byJ.LEAGUE

posted2020/11/13 11:02

三好康児、板倉滉、脇坂泰斗、田中碧…アカデミー出身者が語った中村憲剛「知らない世界を教えくれる」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

少年時代からトップチームでのプレーを夢見てきたアカデミー出身選手たちにとって、「14番」は大きな存在だった(写真は2019年)

海外でプレーするあの2人は?

 “アカデミー史上最高傑作”と呼ばれ、現在はベルギーの地で活躍する三好は、在籍時にこんな言葉を残している。

「憲剛さんのことは下部組織の時からずっと見ていました。僕が小学校の時からずっと第一線でプレーされていて、このチームを引っ張ってきている。プレーだけでなくて、人間性の部分からすごく尊敬しています。実際プロになって、一緒にプレーすることでよりその凄さがわかりましたし、僕もああいった人間になりたいなと思える選手です」

 彼らの口から事あるごとに出てきたのは、「憲剛さんに多くのアドバイスをもらっている」ということ。小さい頃から見てきた大先輩に対し、軽々しく話を聞きにいくのは二の足を踏みそうな気もする。ただ、そう思わせない雰囲気を作り出しているのだと、ヨーロッパの地に旅立った板倉は明かす。

「このチームはみんなすごくフランクなんですよね。それは一番上の憲剛さんがそういう人だから、チーム全体がそうなっているのかなと。フロンターレのチーム柄というか憲剛さんが喋りやすい雰囲気を出している。若手はその雰囲気に助けられていると思います」

ライバルとなるはずの若手にアドバイス

 どんなときも怪訝な顔をすることなく、積極的に相談に乗ってくれた。悩んでいれば声をかけ、その時々に、その人に応じた言葉でアドバイスをする。

 もちろん、中村の凄さはピッチ外だけにあらず。ピッチに立てば超一流のプレーを見せて後輩たちを唸らせた。「どうすればああいったプレーができるのか」。取材を続けてきた者ならば誰もが聞きたくなるのが性だが、それは共にプレーする後輩たちからすればなおさらだ。話を聞いては新たな見方を教えてくれると脇坂は語っていた。

「1日でも早く追いついて、追い越したいと思っていますけど、そのためにはもっと憲剛さんから学ぶことがある。チームメイトとしてプレーすることが増えて、その凄さというのを改めて感じました。一緒に試合に出ることが増えて、サッカーの面でゲームのコントロールの仕方や相手の剥がし方のところは勉強させてもらっている。それに憲剛さんに言われたことができたら言いたくなってしまうところがあって、『(こないだ言ってたの)これですよね』みたいな時がある。そういうことを共有できるようになったのが嬉しいですね」

 若手といえど、ポジションを争うライバルにヒントを与えるのは自分の立場を危うくする行為にも思える。だが、「単純に良くなって欲しい」とその極意を後輩たちに伝えられるのも中村の人間性の表れだ。

【次ページ】 田中碧「憲剛さんとの会話は新鮮」

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