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中央大学のスポーツビジネス講座でなんとサッカークラブを運営! 鍵は「ヒンディー語と小松菜」!?
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byChuo University
posted2020/11/11 17:00
2016年、浅草サンバカーニバルでの1枚。『GIANT KILLING』に登場するETUのマスコット「パッカ君」の着ぐるみを借りた
「正直よく知らなかった」小松菜を
五十嵐君自身「正直、それまではよく知らなかった」と話す小松菜を、どうすれば手に取ってもらえるか、考えに考えている。
「この数カ月、小松菜という単語にすごい敏感で、冷蔵庫には小松菜のストックもあります。朝からスムージーにして食べたり。すごく美味しいんですよ」
その美味しさを、どのように伝えたらいいのだろうか。
無観客試合では、スタジアムでの実地販売はできない。現在、小松菜班では料理動画の撮影を行っている。小松菜を使ったチヂミやラテアート風の小松菜スムージーなど、工夫を凝らしたメニューを考えている。
自分個人のSNSなら特定の人が見てくれたらいいかという程度で問題ないが、ビジネス展開を考えると数字が重要にもなる。どんな内容のものを、どのタイミングでどのようにアップするべきか。どんな映像を使えば、どんな印象を持ってもらえるか。苦慮しながら取り組んでいる。
学生たちが、こうした活動を通じてクラブへの思いをどんどん深めている点も印象的だ。大学の講座だから、実地体験できるからといって、そこにクラブへの愛がないと、本当に必要なアイデアは生まれてこないはず。
「高校生のとき、この講座を受けたくて」
「高校生のとき、この講座を受けたくて、この大学を選びました」と語る萩原君の言葉は、みんなの思いを代弁していた。
「東京23FCは現在関東リーグに属するこれからのクラブで、僕もそれまでクラブのことを正直知りませんでしたが、今は『東京を代表するクラブになりたい』という思いにすごく共感しています。
僕が所属しているのは広報班なので、やっぱり認知度を高めることが重要です。でも、学生の力だけでPRしたり、取り扱ってもらったりするのは難しい。だから、僕たち学生が取り組んでいる状況を取り上げてもらうことを、一番意識しています」
動画班も、クラブの存在を幅広く知ってもらおうと動いている。現在、東京23FC選手のドキュメンタリーを制作し、社会人サッカーに対する理解と応援を得ようとしている。