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中央大学のスポーツビジネス講座でなんとサッカークラブを運営! 鍵は「ヒンディー語と小松菜」!?
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byChuo University
posted2020/11/11 17:00
2016年、浅草サンバカーニバルでの1枚。『GIANT KILLING』に登場するETUのマスコット「パッカ君」の着ぐるみを借りた
存在を認めて応援してくれるようなチームを
なるほど、目の付け所は面白い。
とはいえ、国外に住むインド人が自分の町にあるサッカークラブを応援するためには、どのような情報を届けるべきなのか。「サッカークラブがありますよ」「ヒンディー語で情報発信していますよ」というだけで、そのクラブを応援しようと思うだろうか。
逆の立場で考えてみよう。もし自分が海外で暮らしているとして、どんなクラブならば応援しようと思うだろうか?
「(外国人の)自分たちにもちゃんと手を差し伸べてくれるというか、自分たちの存在を認めて応援してくれるようなチームだったら……」
粟村さんは、そう答えてくれた。
確かに。インドの方でも楽しめるイベントや企画、チームを一緒に応援できる機会が、一過性のものではなく日常生活の中に生まれて、根付いていけば、お互いにポジティブな関係性を築けるのではないだろうか。
学生たちは、江戸川区で暮らすインド人に自分たちの活動をアピールしつつ、インド系インフルエンサーにコンタクトを取っている。
例えば、インド国籍を持つ元プロサッカー選手で、インド代表でもプレーしたことがある和泉新にも協力をお願いしているという。インド人の父と日本人の母を持ち、インスタフォロワー390万人という和泉の影響力をうまく生かすことができたら、面白い活動になりそうだ。
江戸川区の名産も取り上げる活動
江戸川の名産を取り上げる活動にも力を入れている。
地元応援プロジェクトに関わる五十嵐君のグループは、地元の名産である小松菜に注目。埼玉に次いで生産量が多い小松菜農家とコラボレーションし、ともにアピールし合おうというのが狙いだ。
協力をお願いしたのは東京都農業経営者クラブ会長の真利子伊知郎さん。江戸時代から続く小松菜農家の10代目である真利子さんの小松菜は、デパ地下の食品売り場に卸すほどの高品質だが、そのせいか地元ではそこまで身近でないと感じているという。その存在を地元の人にもっと知ってほしい、という思いが強い。