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セ・パMVP最速予想 柳田悠岐とともに本命の菅野智之だが…6年前の“不運”再び?
posted2020/11/03 11:01
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama/Kiichi Matsumoto
奇しくも両リーグともに同じ週に優勝が決まった。
巨人は9月15日にマジック38が点灯したが、優勝したのは45日後の10月30日と、ずいぶんもたついたものだ。対照的にソフトバンクは10月21日にマジック8が点灯すると、そこから6日後の27日に優勝。1カ月以上も前にマジックが点灯した巨人よりも早い優勝だった。
ソフトバンクの10月の勝敗は、22勝4敗1分、月間22勝は1953年9月の巨人(21勝5敗)、1954年8月の中日(21勝4敗)、2002年8月の西武(21勝5敗)を更新するNPB新記録だ。
バレンティン60発で獲得したこともあったが
さて、このタイミングで両リーグのMVPを予想しよう。
MVPは記者による投票だが、原則としてクライマックスシリーズや日本シリーズなどのポストシーズンの成績は加味されない。
優勝チームで最も活躍した選手が獲得することが多いが、傑出した成績を上げた選手が出れば、下位チームの選手がMVPになるケースもある。
2013年のセ・リーグは巨人が優勝したが、MVPは6位ヤクルトのウラディミール・バレンティンが獲得した。この年のバレンティンは王貞治などが記録したシーズン55本塁打を抜く60本塁打。歴史に残る記録を樹立したことで、優勝した巨人の選手を差し置いて選ばれた。
ただ、これは例外的ではある。よほどすごい記録を樹立しない限り、MVPは優勝チームから選出されることが多い。
ということでまずはパ・リーグから、投打のMVP候補を見ていこう。