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セ・パMVP最速予想 柳田悠岐とともに本命の菅野智之だが…6年前の“不運”再び?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama/Kiichi Matsumoto
posted2020/11/03 11:01
両リーグのMVP最有力候補である柳田悠岐(左)と菅野智之。両者を脅かす選手は数字上でも……
菅野の「14勝」はやはり圧倒的
つづいて以下はセ投手、PRのランキング10傑だ。
1大野雄大(中)30.81
(10勝6敗0SV 0HD 141.2回 防御率1.91)
2西勇輝(神)29.81
(11勝5敗0SV 0HD 146回 防御率2.03)
3菅野智之(巨)26.86
(14勝2敗0SV 0HD 132.1回 防御率2.04)
4森下暢仁(広)26.64
(10勝3敗0SV 0HD 122.2回 防御率1.91)
5大貫晋一(De)16.14
(10勝5敗0SV 0HD 100.2回 防御率2.41)
6福谷浩司(中)12.62
(7勝2敗0SV 0HD 85.1回 防御率2.53)
7 R.マルティネス(中)12.20
(2勝0敗21SV 7HD 40回 防御率1.13)
8平良拳太郎(De)12.18
(4勝5敗0SV 0HD 70.1回 防御率2.30)
9高橋遥人(神)11.69
(5勝4敗0SV 0HD 76回 防御率2.49)
10中川皓太(巨)11.49
(2勝1敗6SV 15HD 36回 防御率1.00)
巨人の菅野智之は開幕から13連勝と走った。巨人スタートダッシュは間違いなく菅野の功績だ。しかしながら9月以降、やや息切れし、防御率では4位に沈んでいる。PRで言えば、菅野は中日の大野、阪神の西に次いで僅差ながら3位になっている。
とはいえ14勝で最多勝が確定的ではあり、シーズンを通して絶対的なエースだったのは間違いない。横並び的にそこそこの活躍をした野手陣よりも貢献度は高かった。
優勝チームからでた最多勝投手ということで、菅野智之がMVPに選出される可能性は高いだろう。先ほどのRCこそ7位にとどまった岡本和真だが、本塁打と打点の2冠を取れば票数で菅野に次ぐのではないか。
再び菅野は沢村賞を獲れない不運に?
一方で先発投手最高の栄誉である「沢村賞」は、菅野とは限らない。45イニング連続無失点という神がかり的な快投を見せた中日・大野も候補となっている。
先発投手がMVPを取りながら沢村賞を逸するというのは、レアなケースだ。ただし菅野は2014年にもMVPを獲得しながら、沢村賞をパのMVPに輝いたオリックスの金子千尋に奪われている。
今回もそうなる可能性があるだろう。