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セ・パMVP最速予想 柳田悠岐とともに本命の菅野智之だが…6年前の“不運”再び? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama/Kiichi Matsumoto

posted2020/11/03 11:01

セ・パMVP最速予想 柳田悠岐とともに本命の菅野智之だが…6年前の“不運”再び?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama/Kiichi Matsumoto

両リーグのMVP最有力候補である柳田悠岐(左)と菅野智之。両者を脅かす選手は数字上でも……

実はノンタイトルでのMVP獲得って……

 今季、パ・リーグで最も優秀な投手はオリックスの山本由伸である。規定投球回数以上で唯一防御率は2点台、奪三振も最多。ソフトバンクの先発投手3人が2位から4位に並んでいるが、全員規定投球回数に達していない。今季のソフトバンクは傑出してはいないが、安定感のある先発投手陣が回転していた。

 ソフトバンクではセットアッパーのモイネロが抜群の成績で、最多ホールドを確実にしている。

 とはいえMVPを考えるうえでは、ソフトバンクの3投手が柳田よりも評価が高くなることはないだろう。

 柳田が獲得すれば、2015年に続いて2回目となる。主要な打撃タイトルは獲得しない可能性がやや高いが、主要部門でノンタイトルでのMVPは、2019年の巨人・坂本勇人、2018年の広島・丸佳浩など全く珍しくない。

丸、岡本、坂本のRCはどんな感じ?

 続いて、セ・リーグはどうか? まず打者部門から見ていこう。パ・リーグと同様にRCのランキング10傑である。

1村上宗隆(ヤ)95.05
(26本83点8盗 打率.307)
2鈴木誠也(広)86.90
(25本74点6盗 打率.297)
3梶谷隆幸(De)85.70
(19本52点14盗 打率.326)
4丸佳浩(巨)84.32
(27本73点8盗 打率.284)
5青木宣親(ヤ)80.33
(18本49点1盗 打率.313)
6佐野恵太(De)79.30
(20本69点0盗 打率.328)
7岡本和真(巨)79.15
(29本89点2盗 打率.278)
8大山悠輔(神)74.47
(26本82点1盗 打率.292)
9坂本勇人(巨)72.61
(17本60点4盗 打率.287)
10近本光司(神)70.25
(9本42点30盗 打率.298)

 RCの1位は今季、荒っぽさがなくなって強打者に成長したヤクルトの村上。続いて広島の鈴木、DeNAの梶谷と続いている。

 巨人の1位は後半戦、成績を上げてきた丸である。本塁打、打点の2冠で首位の岡本だが、7位と数字が伸びていない。打率がやや低く、四球が48と少ないため、この指標における総合的な貢献度はやや低くなっているのだ。

 なお巨人勢では2000本安打目前の坂本勇人が9位にいる。ただ、他球団の選手と比べてみると、巨人の3選手はMVPに選出されるには「やや弱い」という印象だ。

【次ページ】 菅野の「14勝」はやはり圧倒的

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