月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
阪神がドラフト1位、近大・佐藤輝明を引き当てたのは…監督が「“勝負パンツ”を封印した」から?
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKYODO
posted2020/11/01 11:03
巨人・オリックス・ソフトバンクが1位指名で競合するなか、阪神の矢野監督がくじを引き当て、佐藤輝明選手(近大)との交渉権を獲得した
こちらのコーチ人事も。
『王会長の執念実る 工藤監督支えた野神』(日刊スポーツ10月28日)
2018年に王貞治球団会長が招いた金星根(キム・ソングン)コーチングアドバイザー(77)。韓国プロ野球のSK、サムスン、LGなどで1300勝以上を挙げた名将で、韓国では「野神(ヤシン)」と呼ばれた。
この金氏が今季から一軍に同行することになり、《今季ペイペイドームではネット裏の部屋で王会長と金氏がチーム状況など意見交換しながらほぼ全試合を見守った。工藤監督はグラウンドのみならず遠征の移動中も金氏に「監督業」について助言を求めた。》という。「野神」が参謀についたらそりゃ強い。
デーブ大久保氏は「これほど芯が1本通った球団も、他にはない。孫オーナー→王球団会長→現場。初志貫徹、意思統一。組織づくりに全くブレがない」(サンスポ10月28日)と言い、「V10」を本気で狙っているとも。たしかに。
阪神が「近大スラッガー」を獲得できたのは……
さて今月の大きなイベントと言えばドラフト会議です。
私が気になったのはドラフト当日のデイリースポーツ阪神矢野監督情報。さりげなく書かれていた『赤パンは封印』。矢野監督といえば赤パンが勝負パンツだが「今年は着用しない」という。自然体で力みもないという。これは、重大情報ではないか。
すると……
『黄金ドラ1当てたぁ 佐藤本塁打王 トリプルスリー 4球団競合!!矢野ガッツ大興奮!!』(10月27日)
今年の目玉である近大のスラッガー佐藤輝明選手を引き当てたー!お祭り騒ぎのデイリースポーツ!
紙面をめくると『佐藤がくる』という短期連載がさっそく始まってる。『麒麟がくる』より盛り上がってないか。それにしても赤パンとは一体何だったのか。コロナでネガティブな話題がいろいろあった阪神、最後にいいことありました。
ではスポーツ紙のドラフト予想をおさらいしよう。指名選手を事前に公表する球団も増えてきたが、当日まで秘密にしてあっと言わす球団もまだある。ここ数年でいうと横浜DeNAなんかワクワクする。