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高山俊以来5年ぶりの当たりくじ! 藪恵壹に聞く「今年の阪神ドラフト、100点満点で何点だった?」
posted2020/11/02 17:01
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph by
Kyodo News
アマチュア大会は軒並み中止、さらにはリモート開催で異例尽くしとなった今年のドラフト会議で、阪神ファンにとっては大変嬉しいニュースが飛び込んできました。巨人、オリックス、ソフトバンクと4球団競合の末にクジを引き当て、佐藤輝明(近畿大)の交渉権を獲得。高山俊を1位指名した2015年以来、実に5年ぶりの当たりくじには私も興奮しました。
退団が決まった福留孝介の穴を埋める存在に
佐藤選手は、私も秋季リーグ最終節の関大戦を見に行きましたが、体がとにかく大きい。試合では三振、満塁のチャンスでファーストゴロ、守備に精彩を欠くシーンもあって特に序盤から中盤はあまりいいところが見られませんでしたが、三振のスイングは悪くなかったですし、延長ではホームランも飛び出した。飛ばす力は文句なしといっていいでしょう。ちなみにこの次の最終戦にはタイガースのスカウト陣や和田豊TAの姿もあり、球団総出の最終チェックという感じがしましたね(笑)。近年の阪神はその年一番と評価している選手をとりあえず狙っていく傾向にありますし、納得の1位指名でした。
佐藤選手本人はショートをやりたいらしいという話も聞こえてきます。大型ショートはトレンドですし夢もありますが、一昨年のドラフト2位・小幡竜平を育てていますし、そうでなくても阪神の内野は飽和気味ですから、外野でやらせるんじゃないでしょうか。将来的には、退団が決まった福留孝介の穴を埋める存在になって、右の大山悠輔、井上広大とともにクリーンナップを担ってくれたら最高でしょう。
あまりの送球の速さに「嘘だろ?」と思った選手
チーム事情としては左投手が一番の補強ポイントでしたが、そこも2位で伊藤将司を指名することでうまくカバーしたなという印象です。横浜高校から国際武道大、JR東日本という経歴はまさにエリート。特に先発が手薄ですから、高橋遥人ぐらいの選手に育ってほしいですね。