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Excelを見ながら計算機で足し算する男・高木義成がサラリーマンを辞めて、GKの指導現場に戻った理由
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph byYoshinari Takagi
posted2020/10/29 17:00
今年の9月から日体大GKコーチに就任。現役引退後のサラリーマン生活で体重が増えた、と笑った
日体大GKコーチ、矢野貴章の兄が監督
16年にFC岐阜に移籍し、17年限りで現役を引退した高木は、今年9月1日に日本体育大学学友会サッカー部のGKコーチに就任した。同部の矢野晴之介監督が、名古屋時代のチームメイトで仲の良いFW矢野貴章(栃木SC)の実兄であることがきっかけで、週に3回、練習に参加して選手たちを鍛えている。
1つのミスが失点と敗戦、最終的には優勝を逃すことにつながり、多くの人を失望させた。苦い経験を胸に、若きGKにも正面キャッチの重要性を説く。ツイッターやインスタグラムには「#ゴールキーパーは正面キャッチから」のハッシュタグをつけ、練習風景の動画を連日、投稿している。
サッカーショップKAMOでサラリーマン生活
引退した当初は、指導者になるつもりはなかったという。日本サッカー協会の指導者資格は、B級ライセンスとGK-C級(現レベル1)ライセンスを持っているが、「『何で取れないの』という目線で見て、自分の感覚を押し付けてしまうんじゃないかと思った」ため、現場とは距離を置いた。
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最初に選んだセカンドキャリアは、サラリーマン。現役時代の代理人契約のつながりもあり、18年春にサッカーショップKAMOの社員となった。
「取引先の高校に新入生のチームジャージーを提案して、サイズごとの注文表を受け取ったら、集計。選手ごとの背番号を入れる手配もすべて整えてメーカーに発注して、届いたら学校に納品して、集金する。全部やっていましたよ」