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ガンバ復権の旗頭・井手口陽介 今野泰幸のように奪い、遠藤保仁のように作るハイブリッドさ
posted2020/10/31 06:00
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph by
J.LEAGUE
直近のJ1リーグでは9試合を8勝1分けというハイペースで勝ち点を積み上げ、セレッソ大阪と並んで2位に浮上したガンバ大阪。試合のたびに前線の顔ぶれが変化し、三浦弦太と昌子源という代表クラスのCBを負傷で欠きながらも、守備陣は大崩れすることなく、前節は今季公式戦で2度敗れている柏レイソルに2対1で勝ち切った。
「過密日程で試合が早くやって来る中で、全ての選手の力が必要」と宮本恒靖監督は今季、選手の疲労度や対戦相手との相性を見極めながら、巧みなマネージメントを見せ始めている。
そんな指揮官にとって、フィールドプレーヤーで唯一、替えが効かない存在が井手口陽介である。
堂々たる大黒柱に成長した
言葉数は決して多くないが、今季積み上げてきた数字は雄弁だ。
フィールドプレーヤーでは倉田秋とともに唯一全24試合に出場し、出場時間数はチーム最多の2099分。今や押しも押されもしない堂々たる大黒柱に成長した。
そのプレースタイルは今更、説明するまでもないだろう。人間の肺は2つ、という常識を疑いたくなるほどの驚異的なスタミナでピッチ狭しと駆け回るのが井手口のスタイルだ。
連勝街道を走り始めたガンバ大阪は基本的に4バックを採用しており、チームの好調を支えるのは井手口と大卒ルーキーの山本悠樹で構成するボランチコンビである。