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オリックス1位は“スーパー三塁手”、ヤクルト“外れ1位”は…ドラフト全指名予想【オリ・ヤクルト・日ハム編】 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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posted2020/10/25 11:01

オリックス1位は“スーパー三塁手”、ヤクルト“外れ1位”は…ドラフト全指名予想【オリ・ヤクルト・日ハム編】<Number Web> photograph by JIJI PRESS

複数球団が1位指名すると予想される“スーパー三塁手”佐藤輝明(近畿大)

1位佐藤輝明は1年目から「20本」も

 今の「オリックス」に、選手がいないわけじゃない。

 チーム打率リーグ3位(以下、10月17日現在)、チーム防御率だって、日本ハムと同率3位みたいなもので、盗塁数に至ってはリーグトップの81盗塁。本塁打数だけがリーグワーストの75本だが、そこは、メジャーリーガー・ジョーンズをもってしても、カバーできなかった。

 ならば、「和製大砲」に期待だ。1位佐藤のパワーと技術なら、1年目から「20本」ならクリアできると見る。同時に、懸案の「三塁手」のレギュラーも解消。なんなら、クリーンアップの一角まで埋めてしまえ。

 今のオリックスというチーム、何かドカンと刺激を与えたら、劇的に飛躍できる潜在能力を秘めているような気がしてならない。

 その「劇的飛躍」になくてはならない原動力の投手陣に、まず3位・有村大誠(立命館大)が来季の即戦力として働きそうだ。リーグ最優秀防御率を2度獲得している失点しないピッチング。その理由は角度抜群の速球と変化球を、低めのストライクゾーンに集められるコントロールだ。時に150キロに及ぶほどの速球がありながら、力任せにならない。そういう投球スタイルが大学4年間で身についた。

 2位・小林樹斗(智弁和歌山高)は将来の「エース」候補だ。強く投げようとし過ぎないで150キロ近辺を安定して続けられるコツのようなものを覚えてきた。並行してスライダー、フォークの球筋も安定。3年も4年も待たずに、一軍のマウンドを託せる投手になれると見ている。

 5位・高野脩汰(関西大)、6位・佐々木大輔(東日本国際大)の学生左腕2枚は、立ち上がりさえしのげれば、持ち球の優秀さは一級品。

 伏見寅威、若月健矢の一軍捕手陣に、敏捷なディフェンスの4位・辻本勇樹(NTT西日本)の加入は大きい。大学、社会人ですぐにレギュラーマスクを獲得した野球カンの鋭さは、レベルが上がるほどその威力を発揮する。

 高校では2番手ながら、変化球も器用に操る大型右腕の7位・内星龍(履正社高)は、時間をかけて少しずつレベルアップしてほしい未完の大器である。

【次ページ】 ヤクルトは即戦力投手で地盤強化

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