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オリックス1位は“スーパー三塁手”、ヤクルト“外れ1位”は…ドラフト全指名予想【オリ・ヤクルト・日ハム編】 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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posted2020/10/25 11:01

オリックス1位は“スーパー三塁手”、ヤクルト“外れ1位”は…ドラフト全指名予想【オリ・ヤクルト・日ハム編】<Number Web> photograph by JIJI PRESS

複数球団が1位指名すると予想される“スーパー三塁手”佐藤輝明(近畿大)

ヤクルトは即戦力投手で地盤強化

〔ヤクルト 2020年ひとりドラフト指名選手〕                    

外れ 投手 早川隆久(早稲田大) 180cm76kg 左投左打
1位 投手 伊藤優輔(三菱パワー)23歳 178cm77kg 右投右打
2位 投手 大道温貴(八戸学院大) 178cm78kg 右投右打
3位 捕手 牧原巧汰(日大藤沢高) 174cm78kg 右投左打
4位 投手 豆田泰志(浦和実高) 175cm75kg 右投右打
5位 二塁手 度会隆輝(横浜高) 182cm81kg 右投左打
6位 投手 福島章太(倉敷工高) 176cm90kg 左投左打
7位 三塁手 渡部健人(桐蔭横浜大) 175cm105kg 右投右打

〔ヤクルト 総評〕

 12球団各チームちょうど100試合前後の「試合数」で横に並んだ今の段階で、チーム失点「509」は、抜けて12球団ワースト。ヤクルトは99試合だから、1試合平均およそ5失点するのに、チーム得点406は1試合平均およそ4点しか取れないのだから、なかなか勝てないのはわかる。  

 しかし、打線には若き村上宗隆内野手がドーンと君臨して、打線の軸はしっかりとしている。

 というわけで、1年目から10勝前後を計算できそうな早川隆久(早稲田大)でいくのは“常套”だろうが、千葉ロッテ、西武、横浜と合わせて4球団重複の厚い壁を突破できず……2度目の入札では、重複を嫌ったか、1位・伊藤優輔(三菱パワー)を指名して、交渉権を得た。

 さらに、ウエーバー順2番目で、2位・大道温貴(八戸学院大)を指名して、「即戦力系」2枚の獲得を果たした。共に、よく似た背格好の右投げオーバーハンド。しかし、タイプは違って、大切な部分に共通項を持つ。

 伊藤の速球は、速くて破壊力あり。「芯で捉えた!」とときめいた打球がフェンス手前で失速。つまり「剛速球」、凡打の山を作るタイプだ。一方の、大道の速球は、抜群のバックスピンを帯びて、打者のスイングの上方を通過。空振りの三振が奪えるタイプだ。

 共に、スライダー、カット、チェンジアップにスプリット……カウント球にも勝負球にも使える複数の変化球を兼備する。 それ以上の共通項が、ピンチにもひるまず、打者に向かっていける果敢なファイティングスピリット。負けが込むチームには、何より必要な資質であろう。

【次ページ】 ヤクルト「次期レギュラーマスク」候補

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