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ハーランドが「僕が15歳の時より凄い」という超新星もいるのに…ドイツ育成が“赤信号”なワケ
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2020/10/22 11:01
鮮やかなプレーぶりで注目を集めるムココ。今後のビッグネーム候補だ
15歳ムココなど逸材は確実にいる
さらに、ドルトムントには15歳ながらプロチームのトレーニングに参加し、ノルウェー代表FWのアーリング・ハーランドが「僕が15歳の時よりもずっとすごい」と絶賛する、ユスファ・ムココという超新星もいる。
つまり、資質のある選手は間違いなくいるのだ。
それだけに彼ら、そして、彼らに続く選手たちをいかにサポートする環境を作れるかが重要なテーマになる。元代表アシスタントコーチであり、現在バイエルンで監督を務めるハンス・ディーター・フリックは言う。
「ブンデスリーガのクラブは、いつか代表でプレーするだろう選手を育成していくためにある。それは我々が担う役割であるのと同時に、全員で協力して取り組んでいかなければならないことだ」
現状に満足せず、いたずらに悲観もせず、健全な分析で改善点を洗い出し、さらに上を目指して取り組んでいく。サッカーは一握りの選手の成功だけで何とかなるものではない。全体的な底上げは、いつの時代も重要である。