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ハーランドが「僕が15歳の時より凄い」という超新星もいるのに…ドイツ育成が“赤信号”なワケ
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2020/10/22 11:01
鮮やかなプレーぶりで注目を集めるムココ。今後のビッグネーム候補だ
ビアホフが語るプロジェクトの目的
DFBチームマネージャーのオリバー・ビアホフは、このプロジェクトの目的について次のように語っている。
「他国では試合を決定づけられる確かな武器と長所を持った選手が幅広く育ってきている。我々は各世代別代表の監督、コーチ陣、そしてブンデスリーガ各クラブと連動しながら、いかに育成選手を成長へ導くかを議論していかなければならない。国際的なトップレベルに対抗できるだけではなく、そこでアクセントをつけられるような選手が、できるだけ多くA代表に上がってこられるようにサポートしていきたい」
実際、ポジティブな動きも出てきた。
バイエルンが昨季CLで優勝。キミッヒ(25歳)、ゴレツカ(25歳)、ニャブリ(25歳)、ズーレ(25歳)は主力に成長した。ハバーツ(21歳)とベルナー(24歳)は、それぞれレバークーゼン、RBライプツィヒからチェルシーへ移籍。ともにランパード監督からの信頼が厚く、レギュラー起用されている。
ノイハウス、バルトシュミット、ビルツ
ボルシアMGで好調のノイハウス(23歳)は代表デビューとなったトルコ戦で好プレーを披露。アタランタで主力としてプレーしている左SBゴセンス(26歳)は徐々に必要な戦力となってきている。また、今季フライブルクからリーズへ移籍したコッホ(24歳)、ベンフィカ入りしたバルトシュミット(24歳)はそれぞれ新天地で次のステップを踏もうとしている。コッホは鬼才ビエルサ監督の下、レギュラーとして起用され奮闘中だ。
加えて、17歳ながらすでにU-21代表のスタメンで起用されているフロリアン・ビルツ(レバークーゼン)という逸材も出てきている。
今夏、元ドイツ代表マリオ・ゲッツェにレバークーゼン移籍の噂があり、本人も興味を示していたが、クラブがビルツに出場機会を与えることを重要視していたため実現しなかったという。