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「埼スタには行くけれど…」南北線の“ナゾのサッカー駅”「浦和美園駅」には何がある? 

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鼠入昌史

鼠入昌史Masashi Soiri

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photograph byMasashi Soiri

posted2020/10/04 11:01

「埼スタには行くけれど…」南北線の“ナゾのサッカー駅”「浦和美園駅」には何がある?<Number Web> photograph by Masashi Soiri

南北線の“ナゾのサッカー駅”浦和美園駅には何がある? 平日昼間に訪れてみた

 ロータリーの反対側には心強い“東横イン”が高々とそびえ、その向こうに歩いていけば巨大なマンション群。ただ、それ以外は駐車場や駐輪場が中心で、チェーンの飲食店なども背が低く、空が広く感じられる“地方都市”といった趣の駅前だ。整備が進んだのはごく最近ということがよくわかる。事実、埼スタも浦和美園駅も2001年の誕生である。

 今度はスタジアム・イオンとは反対側に出てみると、こちらは少し雰囲気が変わる。スタジアム側と比べると少し高台で、古くからあるような一戸建ての住宅も見られる。全体的にはスタジアム側同様に最近になっての整備だが、マンションというよりは一戸建ての新分譲地もあるなど、“住宅地”としての空気感がやや強い。

 

浦和美園の“美園”って何?

 と、ここでそもそもの疑問を解消せねばならない。浦和美園駅の駅名のナゾ。“浦和”はかつて存在していた浦和市がルーツなのだろうということは誰でもわかる。ナゾなのは“美園”の方だ。“浦和”を持つ駅名が東浦和、西浦和、南浦和、北浦和、武蔵浦和、中浦和……とたくさんあることは有名だ。浦和美園もそのひとつなのだが、やはり“美園”がナゾなのだ。美しい園、とは新興住宅地っぽいキラキラ地名だが、果たして……。

 調べてみると、浦和美園駅一帯の町名が「美園」と名付けられたのは2017年だということがわかった。たった3年前である。それ以前は上野田・中野田・下野田・玄蕃新田・大門などといったいかにも歴史を感じさせる字名だった。それが「美園」に。時系列としては、町名が「美園」になる以前から、この駅の名は浦和美園駅だったことになる。

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