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“悪川君”が覚醒! 原辰徳監督も「救ってくれた」と最敬礼、吉川尚輝のきらめく野球センス
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/09/25 11:50
9月22日の広島戦で、サヨナラ打を放ち、ナインから祝福を受け笑顔の巨人・吉川尚輝(右から2人目)
吉川はチームの最後のコアとなるべき選手
9月15日の阪神戦。6対3と巨人が3点をリードした9回の阪神の攻撃。守護神、ルビー・デラロサ投手が1死一、二塁とピンチを背負い、近本光司外野手にも二遊間からセンターに抜けようかという強烈なゴロを放たれた。その打球を二塁ベース後方で倒れ込みながら捕球して、そこから寝転がったまま二塁ベースカバーに入った増田大にトスしてアウトにした。
抜けていれば2点差となってなお一、二塁の場面。
「素晴らしい! これはスーパープレーですよ」
テレビで解説していた阪神OBの赤星憲広さんをも唸らせた吉川の守備力が、チームを救った場面だった。
ここでもセンスが光った。
まさに今の巨人にとって吉川はチームの最後のコアとなるべき選手である。そのことを示した場面だった。