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菅野智之、大野雄大との最強エース対決を制す! 勝因は“時間”を操る4次元投球 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2020/09/09 12:25

菅野智之、大野雄大との最強エース対決を制す! 勝因は“時間”を操る4次元投球<Number Web> photograph by KYODO

中日・大野とのエース対決に勝利し、開幕10連勝を飾った巨人・菅野。

過去を捨てて挑んだこの新しい世界

 昨年で見ると真っ直ぐとツーシームが147.1kmと146.3kmに対して、フォークとカットボールが137.4kmと137.6kmと、スライダーとカーブを加えた4つのスピード帯の中に収まっていた。

 そこからフォークの球威が4kmほど増して、新しいスピードゾーンを作ることによって、打者がボールを捕らえる時間に変化をつけられるようになっている。

 ゲーム終盤には逆にギアチェンジで腕の振りがさらに強くなることで、そこから球速はさらに3、4kmアップする。ストレートは150km越えとなり、フォークも本人が語るように145km前後へと速さが増していくので、回を追うごとに打ちづらい投手へとグレードアップしてくことになっていく。

 アマチュア時代からベースを築き上げ、プロでも確かな実績を残してきたのが昨年までのフォームだった。それにもかかわらず新たなフォームに挑戦し、そこからつかみとった4次元の世界が、今の菅野が相手を抑え込んでいくパワーとなっている。

 開幕から負けなしの10連勝という記録の背景には、過去を捨てて挑んだこの新しい世界があったからだった。

大野もエースの意地を見せた

「(菅野は)なかなか点を取れる投手ではないのは分かっていた。僕が先に点を取られてしまったのが負けた原因でした」

 こう語った大野も、敗れはしたがこの日も115球を投げ切って6試合連続完投を果たした。

 それはまさにエースの意地だった。

 今季の2人は菅野が火曜日、大野は日曜日で中6日のローテーションを回ってきたが、9月1日に大野が中8日で火曜日に回ったことで実現した両者のマッチアップ。

「この1週間、ずっと今日の試合のことだけを考えて調整してきた。(大野に)負けないぞ、という気持ちでやってきたし、(自分自身の)連勝というのもありました」

 自分を律して自己変革を続けているエースににとって、もう1つ大事な進化の要素は対抗心だった。そのためにはこの日のように意識して投げ合えるライバルの存在が不可欠な要素であることも間違いない。

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