プロ野球亭日乗BACK NUMBER
菅野智之、大野雄大との最強エース対決を制す! 勝因は“時間”を操る4次元投球
posted2020/09/09 12:25
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
連勝男vs.ミスター完投。
セ・リーグを代表する最強のエース対決は、緊迫する投げ合いの末に巨人の菅野智之投手に軍配が上がった。
球団新の6連続完投勝利を狙った中日・大野雄大投手を相手に7回5安打無失点で投げ勝ち、巨人の開幕投手としては1938年のビクトル・スタルヒン投手以来82年ぶり2人目の開幕10連勝を飾った。
立ち上がりからスタンドも息を飲むような緊張感の中で始まった両投手の投げ合い。大野は1、2回と巨人の上位打線をいずれも三者凡退に打ち取り、危なげないスタートだった。
菅野は安定感に欠ける立ち上がり
一方の菅野は1回に1死から2番のソイロ・アルモンテ外野手への2球目のスライダーを引っ掛けて死球。2死からダヤン・ビシエド内野手に中前にはじき返されていきなり一、三塁のピンチを背負うなど安定感に欠ける内容だったが、何とか凌いでピンチを切り抜ける。
そして先に点を与えたのは好調に見えた大野の方だった。
3回だ。1死から巨人の8番・吉川尚輝内野手にストレートをセンター前に弾き返されると、菅野が送った2死二塁から1番・坂本勇人内野手が左翼越えにタイムリー二塁打を浴びた。
大野にとっては28イニングぶりの失点で試合が動き出した。
その後も5回、6回と走者を背負うものの、なんとか後続を断って追加点を許さなかったが、試合が動いたのは8回だ。
この回も先頭の吉川に三塁線を破る二塁打を打たれピンチを招く。菅野の代打・吉川大幾内野手の送りバント、坂本が申告敬遠で一、三塁となったところで、亀井善行外野手に左翼へ犠牲フライを打ち上げられて手痛い2点目を失った。