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内田篤人が日本のペップになる日まで。『スラムダンク』が彼と世界のかけ橋だ。
posted2020/09/02 11:40
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Takuya Sugiyama
「問題ないよ、ウッディ。映画は大好きだし、バスケットボールはどう? お望みならニックスの話をしようか」
『グアルディオラ総論』(マルティ・ペラルナウ著、ソル・メディア発行)の本編の冒頭にペップ・グアルディオラの言葉が載っている。話し相手は、著名な映画監督で、NBAのニューヨーク・ニックスのファンでもあるウディ・アレンだ(ウッディはニックネーム)。
メキシコのドナドス・シナロアで引退したあと、ペップは休むまもなく、バルセロナBの監督を経由してトップチームの指揮をとった。バルサの監督を辞したあと、およそ1年の充電期間を、家族とともにニューヨークで過ごした。「それでも恋するバルセロナ」などの映画で知られるアレンとの会話は、ニューヨークで交わされたものだ。
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彼が、バスケットボール、ハンドボール、水球などからエッセンスを取り入れているのも有名だ。ポゼッションやポジショナルプレーへの想いがこの世で最も強い人間の1人であるように思われているが、柔軟な思考も持ち合わせている。
彼は日本のグアルディオラか。
ペップは選手として、16個のトロフィーと1個の金メダル(地元開催バルセロナのオリンピック)を手にした。サッカー史に残るドリームチームの心臓としても活躍した。
そして監督としては、現役時代を上回る計27個のトロフィーとシャーレをすでに掲げている。そんなカタルーニャの名将のキャリアを振り返ると、ある選手との類似性に気がつくのだ。
「子供の幼稚園のお迎えです。手をつないで、一緒に幼稚園の送り迎えができたら最高だなと思います」
引退会見で今すぐにやりたいことを語った内田篤人は、充電期間を経て次のステップを探ることになる。彼は、日本におけるグアルディオラになれるかもしれない――。