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夢は「B3で優勝し、B2昇格を断る」。
島田チェアマン×池田オーナー対談。
text by
青木美帆Miho Awokie
photograph byKiichi Matsumoto
posted2020/08/27 10:00
島田慎二B.LEAGUEチェアマン(右)と、池田純さいたまブロンコスオーナー兼取締役(左)。本対談の直前、ブロンコスのYouTube企画で2人ババ抜き勝負を行った。
B3で優勝して、B2への昇格を断る。
池田 選手契約の件は、簡単に言えば『選手と別の仕事の二足のわらじ』ということなんですが、世の中的にはすごく普通のことなんですよね。アマチュアのスポーツ選手はみんな別の仕事をしながらスポーツをしてるわけで、それをプロ選手がやろうとしているから目新しく感じるだけで。
プロ野球とJリーグは試合を実施していますが、正直相当無理をしていると思います。
コロナ禍がこのまま収束しなかったら、たぶんプロ野球ですら3年後には経営が破綻してしまうところも出てこざるをえないでしょう。そういったことがわかっている状況で、従来のスタイルでチームを経営することに私は疑問しかなくて。
厳しい状況下で、安心してバスケを続けられるようにするために、チーム全員で経営を考えていこう。どんな状況になったとしても、バスケを続けるための担保はチーム全員が各々で作らなくては生き抜いていけないというのが私の考え。すでにスポンサー営業で数十万円を調達してきた選手もいます。
島田 頼もしいですね。早くB2、B1と上がってきて、私にもアドバイスをください(笑)。
池田 私にはちょっとした夢があるんですよ。島田さんの前であえて言いますが……B3で優勝して、B2への昇格を断る。
島田 (拍手)
まずは経営基盤を成立させること。
池田 私が一番に注力するのは、まずは、チームを強くすること以上に経営基盤を成立させること。そして市民球団として、さいたまと所沢を中心としたみなさんに愛されるチームを作ること。なので、「昇格=成功」という考えは正直持っていません。
もちろん、経営の規模が大きくなればそこへのチャレンジも考えると思いますが、当分先……少なくとも6~7年後の話かなと。
私が一番嫌いなものは赤字。昇格を目指すために、無理して高い選手年俸を払って、経営が立ち行かなくなるのはナンセンスだと私は考えています。とにかくB2やB1にふさわしい経営基盤が完成するまでは、上位カテゴリーに行くにはふさわしくないという所存です。