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観客5000人はどれぐらいキツい?
ベルマーレ社長が語る苦悩と活路。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/08/26 11:50
上限5000人で運営しているJリーグだが、2000~3000人台の観客数で推移している会場も多い。
スポンサー収入も不透明さが増す。
新型コロナウイルス感染の大きな波は、秋から冬にかけて日本を襲うと言われている。リーグ戦が無観客試合に戻ったり、打ち切りになったりすれば、入場料収入はさらに悪化してしまう。
営業収益の最上位をとっているスポンサー収入も、不透明さは増している。すでに業績悪化に苦しんでいる企業は多く、みたびの感染爆発となればサッカーから離れる決断を下す企業が出てくるかもしれない。湘南は18年4月からRIZAPグループが出資するメルディアRIZAP湘南スポーツパートナーズを筆頭株主としているが、同時にホームタウンの数多くの企業にも支えられている。
「来年はスポンサーを続けるのがキツいかもしれない、という企業もすでにあります。ほとんどの業態が厳しい状況に立たされていると思いますが、せっかくいただいたご縁です。これまでとは違う条件になっても、スポンサーさんとのつながりは維持していきたいんです」
クラウドファンディングを実施予定。
今期は赤字見通しとなっているなかで、クラブは初めての取り組みに乗り出す。チーム運営費およびクラブ運営費の補填を目的として、8月下旬からクラウドファンディングを実施する予定だ。
ホームタウンの人々やファン・サポーターから寄せられる「クラブの経営が大変なのではないか?」とか「いつも楽しませてもらっているのだから、こんな時こそ力になりたい」といった声を後押しとして、幅広く支援を募っていく。
「Jリーグの中断期間中は、試合をやらないと忘れ去られてしまうという恐怖感がありました。これからはもっともっと来てもらえるように、もっともっと情報を発信していかなければいけないと思っています」
湘南のトップチームは、目の前の1試合に集中する「GET3」のメンタリティを大切にする。水谷社長らのフロントスタッフも、同じように1試合の積み重ねを大切にしていく。今シーズンの小さな積み重ねが、来シーズンへつながっていくと信じて。