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本当なら今季のバロンドールだった!?
レバンドフスキ独占インタビュー。 

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アントワーヌ・ブーロン

アントワーヌ・ブーロンAntoine Bourlon

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photograph byAlexis Reau/L'Equipe

posted2020/08/22 18:00

本当なら今季のバロンドールだった!?レバンドフスキ独占インタビュー。<Number Web> photograph by Alexis Reau/L'Equipe

今季の欧州サッカー界で最も実績をあげたと評価の高いロベルト・レバンドフスキ。バロンドールの最有力候補だったが……。

「夢ですら見たことのない望外な出来事だった」

――あなたが10番としてもプレーしていることは忘れられがちですが……。

「そう、僕はできるだけボールに触れたいし、チームの攻撃構築に参加したい。どんな状況にも応えられる柔軟性を持ちたい。ひとつのタスクしかできない選手にはなりたくないんだ」

――アタッカーはときに全能であるかのような感覚に囚われますが、あなたはそれをどう説明しますか?

「正直に言うけど、CL準決勝で4得点を決めたこと(2013年4月24日、ボルシア・ドルトムント対レアル・マドリー)や、9分間で5得点を決めたこと(2015年9月22日、バイエルン対ヴォルフスブルク)は、夢ですら見たことのない望外な出来事だった。

 特別な何かを自分は成し遂げた。僕が打ち立てた記録は、これから30年、40年、50年と続いていくサッカーの歴史の中でずっと輝きを放つ。言葉には表せない喜びだった。ピッチの上でも信じられない思いで、僕は言葉を失った。誇りに思うし、これからの人生でも決して忘れることのないことだ」

――2月25日のCLラウンド16のチェルシー戦・第1戦(0対3でバイエルンの勝利)も、その点では同じでしょうか?

「あの試合も信じられなかった。僕はふたつのアシスト(どちらもセルジュ・ニャブリのゴール)とひとつの得点を決めた。誰もが記録を重視しているのはわかっている。『得点を決めたから合格だ』と評価する。

 でもそれ以上に、僕のふたつのアシストがバイエルンをアウェーで3対0の勝利に導いた。それを加味したうえでの得点だったんだ。もちろん僕の身体の中には、得点を渇望する血が流れてはいるけれども……」

「ストライカーが進化していくのはとりわけその部分」

――あなたは相手の守備を綿密に分析するタイプでしょうか?

「僕らは相手がいつもどうやっているかを徹底的に分析する。相手がどんな狙いを持ち、僕らがそれに対してどう仕掛けられるかを……。それに加えて僕は相手のディフェンダーをよく知り、対処できるように最善の準備をする。もちろん難しい仕事で、戦いに勝つには100%の集中力が必要だ」

――脳の機能を進化させるための訓練もおこなっているのでしょうか?

「特別に何かしているとは言わないけど、メンタル強化のための日常的なトレーニングは怠りなくやっている。

 ストライカーが進化していくのはとりわけその部分であるからだ。終わりのないトレーニングで、ピッチの上だけに限らずピッチの外や家でも続けていかねばならないことだ。もしも50%で済ませてしまったら、それはプレーに必ず反映されるし試合のパフォーマンスにも影響を与える。ゴールを決められるかどうかにも大きくかかわる。僕はそんな風に日常生活を送っている」

(後編に続く。下の「関連記事」からご覧になれます)

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