田中将大の黄色、その後は赤が流行った。

　高校野球のグラブの色には流行り廃りがある。2000年代半ばから2010年代初頭までは田中将大（駒大苫小牧）に象徴されるように黄色いグラブが絶大なる人気を誇った。以降は赤系のグラブが主流になった。メーカーによっては、ほぼ赤に見えるというか、ほぼ赤だが、それでも高野連が了承すれば使用可能になる。星さんが言う。

「濃いオレンジだと言えばいいみたいなところはありますね。そのあたりは、大人の事情としか言いようがありません（笑）」

　市場を活性化するためにも、グラブは定期的に新色を流行らせる必要があるという。白スパイクと異なり、キャメルカラーのグラブは甲子園における宣伝が効いて、売れ行きは好調だ。ベースマン立川店でも店頭のものはほぼ売り切れてしまったそうだ。星さんが続ける。

「この色が本当に流行るかどうかは1年後になってみないとわかりませんね。白スパイク同様に汚れが目立ちそうですが、革なので汚れが味になってくるかもしれません。この色がこけたら、今度は、青っぽいグラブをどこかが出してくるんじゃないですか。スカイブラウンとか、深海ブラックとか（笑）。青っぽいけど、青と言わなければ通る可能性はあると思いますよ」

　不思議で、複雑な世界だ。