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遠藤航は世界のトップへまっすぐだ。
「勝負は避けない。100%でぶつかる」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2020/08/19 11:40
遠藤航はついにブンデス1部にたどり着いた。そこでも着実にステップアップいくのだろうという信頼感を彼は漂わせている。
ドイツ語と英語はまだ勉強中。
昨シーズンのパフォーマンスはペジェグリーノ・マタラッツォ監督をはじめとするクラブ首脳、それにチームメイトの信頼を勝ち取るのに十分だった。チームの心臓たるボランチでプレーしていることを考えても、さらなるリーダーシップの発揮が求められていく。
「コミュニケーションに関してはまだ物足りないというか、ドイツ語と英語を勉強していますけれど、完璧に何かを伝えるレベルには達していません。そこは引き続き課題というか、取り組まなければいけない部分です。
まあでも、喋れなくてもプレーする姿勢を見せることはできる。昨シーズンは自分のやるべきことはそこしかないと思っていたし、だからこそコンスタントにいいプレーができたのかなとも思うんです。普段の練習からつねに100パーセントでトライするところは監督もみているし、周りの選手たちにもちょっとずつだけど伝わってるなあというのは感じました。自分を見せていくやりかたとして、それは間違っていなかったな、と」
遠藤にはキャプテンマークがよく似合う。
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現地からの報道によれば、キャプテンの候補にあがっているという。リオ五輪代表で主将の腕章を巻いたように、チームの先頭に立つのは彼にとって馴染み深い。遠藤は遠慮がちな笑みを浮かべた。
「ここでキャプテンをやることになっていくには、トレーニングからの姿勢に加えて語学力は必ず必要になってくると思います。海外のクラブでキャプテンを任される選手はなかなか多くないと思うので、語学力にプラスしてブンデス1部でしっかり自分の良さを出すことが、そういうことにもつながっていくと思います」
湘南ベルマーレの2種登録選手でJリーグにデビューしたのは2010年で、プロフェッショナルとしてのキャリアは11シーズン目となっている。27歳でのブンデスリーガ1部到達は、着実な積み上げの表われと言っていいだろう。
「22歳とか23歳でここまできているというのが、僕の思い描いていたものではあったんですけど、ちょっとずつ、ちょっとずつ、ステップアップしていくのは自分らしいなと思う。いまはやっと1部に挑戦できるということが楽しみです。1部でどれだけできるか。コンスタントに自分のプレーを出せるか。そこは非常に楽しみですね」