話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
オルンガはリーグ記録を更新するか。
圧倒的なスピード、そして緩急の妙。
posted2020/08/15 08:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE
オルンガ(柏レイソル)にJ1の各チームが飲み込まれている。
横浜F・マリノス戦、後半17分、松原健のミスを見逃さず、ボールをかっさらって、そのままゴールを決めた。
これで5試合連続ゴールとなり、オルンガが得点を決めた試合は、開幕戦を含めて5勝1分で負け知らず。9試合10得点で得点ランキングのトップを走っている。
ゴールへの強い意欲と決定力、それを実現する身体能力。オルンガには、ストライカーに必要なものすべてがそろっている。
オルンガがこれだけゴールを決められるのは、もちろん仲間のアシストがあってのことだが、やはりピッチを駆ける圧倒的なスピードに目を奪われる。
そのスピードをオルンガは、どうやって身につけたのだろうか。
名ランナーの産地ケニア出身。
オルンガは、ケニア出身だ。
ケニアは、エチオピアと並んで中長距離界で世界的なランナーを多数生んでいる。例えばマラソンではエリウド・キプチョゲが2018年のベルリンマラソンで2時間1分39秒という異次元の記録で、世界新記録をマークした。これは今も破られていない。
以前、ケニア出身でロンドン五輪マラソン銅メダルのウィルソン・キプサングの練習を見たことがあるがスプリントも速かった。
なぜ、マラソンもスプリントも速いのか。
「私たちは高地に住み、子供のころから悪路を何キロも歩いて学校に通っていた。日常生活から走るのに最適な体づくりができていたのです」
キプサングは、ケニアの生活環境が自分の運動能力を育んだと語った。