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バイエルンを変えたフリック監督。
悠々と国内2冠、CL優勝も現実的だ。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2020/08/07 20:00
リーグ、国内カップ戦で優勝して2冠。フリックのバイエルンはCLでも優勝候補の限りなく筆頭に近い位置にいる。
一発勝負のトーナメントは得意中の得意。
バイエルンはCL決勝ラウンド1回戦のチェルシー戦のセカンドレグを残しているが、アウェーでのファーストレグを3-0で勝っており、チェルシーは8月1日のFAカップ決勝で3選手が負傷してもいる。ホームで戦うバイエルンはかなり有利な状況にある。
とはいえ1回戦を勝ち抜いても、今季の準々決勝以降はすべて一発勝負の短期決戦である。しかしフリック監督は、むしろ今年のフォーマットに対して自信をにじませている。
「私はこういうトーナメントの戦い方をとてもよく知っている。だから、我々はうまく戦うことができると信じているよ!」
本人がそう豪語する通り、フリックにはドイツ代表でヨアヒム・レーブのアシスタントコーチとして一発勝負の続く国際大会で輝かしい成績を残してきた経験がある。
彼とレーブがタッグを組んだ4つのメジャートーナメントは以下のような成績だ。
2008年 EURO 準優勝
2010年 南アフリカW杯 3位
2012年 EURO ベスト4
2014年 ブラジルW杯 優勝
ドイツのセットプレーを作った。
W杯優勝をもってフリックは勇退したのだが、ドイツ代表における彼は単なる参謀にとどまらなかった。以下が何の数字かわかるだろうか。
・全7試合 16分の2(約12.5%)
・全7試合 18分の6(約33.3%)
1つ目が、2010年南アフリカW杯での全ゴールにおけるセットプレーの割合。2つ目が、2014年のブラジルW杯での割合だ。
セットプレーからのゴールの割合が、12.5%から33.3%へ3倍近くに増えている。その変化の主導者がフリックだったのだ。