中日のドラフト5位は当たる？

　投手への未練が全くなかったわけではないだろう。それでも、キャンプの前から外野手登録されている。その選択には、小さい頃から尊敬してきた兄・飛翔が'19年に戦力外通告を受けたことも影響している、と戸田は言う。

「投手へのこだわりが強かった岡林がお兄さんに相談して、プロがいかに厳しい世界かを理解した面もあるんでしょうね。地区スカウトの方には投打両方で評価してもらっていましたが、スカウト全体でより高い可能性を感じたのが野手としてだった。いずれにしろ、自分で考え抜き納得した上で野手で勝負する、と早く判断したのは良かったと思います」

　いかに好素材であれど、まだ投手出身の高卒ルーキーだ。シーズンを戦うための体作りに加え、外野守備でもまだ危ない場面が目立つなど課題も多い。だが、逆の見方をすれば経験不足からくる野手としての余白は、そのまま伸び代ともとれる。俊足でカバーする広い守備範囲と150kmを投げる強肩に加え、識者たちも絶賛するその打撃センスといった魅力の方が大きく勝る。

　ドラゴンズのドラフト5位は、OBでは山本昌や井端弘和、現役では阿部寿樹、藤嶋健人、祖父江大輔、溝脇隼人に大島洋平らを輩出した“当たり順位”でもある。岡林にもその系譜を連なる活躍を期待したい。根尾昂や石橋康太、石川ら若手有望株と共に、岡林がトップバッターとして強竜を牽引する近未来に想いを焦がしている。