“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
川又堅碁、這い上がるための「44」。
ゴールポストに激突したあの日から。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/07/31 11:30
J2第3節水戸戦で移籍後初ゴールを奪った川又堅碁。「フクアリで決めたい」とさらなる活躍を誓った。
「44」に込められた想い。
「怪我したのが4月28日。数式に置き換えて4×2=8。4が2つで8、だから44番。あの日は僕にとって一生忘れられない日。それを心だけではなく背番号に刻み込んでプレーをする。『お前、絶対にこの日を忘れたらあかんぞ』という自分へのメッセージでもあるんです」
「忘れたらあかんぞ」。あのワンプレーはさらなる飛躍へと誘う出来事だったと、川又は信じている。
「自分がもう1回成り上がるために、サッカーの神様がわざと僕に与えてくれた試練だと思います。もちろん最高か最悪かと言われたら、最悪です。でも、それをさらなる成長へのきっかけにして、またストライカーとしてバンバン点を取れる存在になりたいし、それにふさわしい選手かどうかを試されている時だと。44番を見る度にそう思っています」
ずば抜けた身体能力で相手を置き去りにし、ゴールへの執着心を全面に出した圧巻のゴールシーンをまたたくさん見たい。この言葉を聞いて純粋にそう思った。それ伝えると、川又は自信に満ちた表情でこう返してくれた。
「そういうゴールをこれからどんどん見せていきたいですし、やっぱりもっとフクアリという素晴らしいスタジアムで決めたいです。ホームで決めるゴールは特別で、サポーターへの恩返しにもなります。移籍後初ゴールはアウェーの無観客試合でしたが、今、ちょっとずつサポーターがスタジアムに戻って来られる状況になったからこそ、ジェフサポーターの目の前でゴールを決めて、この44番を輝かせたいですね」