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693日ぶりの復帰登板で大乱調。
『サンデー・ショウヘイ』は続くか。 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2020/07/28 15:00

693日ぶりの復帰登板で大乱調。『サンデー・ショウヘイ』は続くか。<Number Web> photograph by Getty Images

開幕3戦目で2年ぶりの公式戦マウンドにあがった大谷翔平だが、3安打3四球5失点で1つのアウトも取れずに降板した。

復帰戦もリハビリ登板の一環。

 百戦錬磨の名将ジョー・マドン監督をはじめ、ビリー・エプラーGM、ミッキー・キャラウェー投手コーチらが大谷の現状を見抜けないわけがない。

 1死も取れずにノックアウトの結果は別として、彼らの中では復帰戦もリハビリ登板の一環であり、結果的に好投を見せても球数限定の「ショートスタート」、それがゲームプランであったと考えるのが普通だ。それには多くの根拠もある。

 見落としてはならない点が、トミー・ジョン手術からの最終的なリハビリ実戦登板数だ。

 大谷は8月1日で術後22カ月になる。リハビリ期間としては充分だが、実戦登板は数が足りていない。

 例えば、2011年に同手術を受けた松坂大輔(当時レッドソックス)はメジャー復帰前の2012年4月23日から5月31日にかけて計7試合にマイナーで調整登板し535球を投げ込んでいる。

 ダルビッシュ有(当時レンジャーズ)も同様に2014年5月1日から22日にかけて5試合のマイナー戦に登板し291球を投げた。2人の先輩の例と比べると、大谷は7月7日から19日にかけて3試合、187球しか投げていない。更には、自軍打者相手の紅白戦である。それでも首脳陣と大谷は合意の上、メジャーのマウンドに戻ったのである。

監督も「我慢が必要」と認める。

 試合後、ジョー・マドン監督はメディアから多くの質問を受けた。その中で大谷の健康面は問題ないとし、ケガからの復帰過程で精神的に乗り越えなければならないこともあるとした上で、こんな言葉を残している。

「我々は取り組みを続けていく必要があります。今は経験則に従って、キャラウェー投手コーチと彼と話し合い、次のレベルに上げていくために『我慢しなければいけない』時期なのです」

【次ページ】 『二刀流』出場は予想以上にハード。

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