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MLBで勝率7割が出る現実度は?
1戦が重い、60試合の超短期決戦。
posted2020/07/23 11:50
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
AP/AFLO
「60試合だろうが何だろうが、トロフィーはトロフィー。(チャンピオン)リングはリング。勝つためにベストを尽くすのみだ」ジョン・レスター(カブスで通算3度のワールドシリーズ優勝メンバー)
メジャーリーグ(MLB)が、7月23日に開幕した。たったの60試合なので、チームにしろ個人にしろ、足し算で算出される本塁打数や勝利数などの成績は史上最少の数字になるし、逆に割り算で算出される打率や防御率などの成績はとんでもないことになる可能性がある。
では、地区優勝するための数字=チームの勝率も、上がるだろうか?
MLBのシーズン最高勝率は1906年にシカゴ・カブスが記録した.763(152試合116勝36敗)で、上位4位までは19世紀初頭のチームである。
勝率.700に届くのは稀なことで、イチローがア・リーグの新人王と最優秀選手賞をダブル受賞した2001年、マリナーズが歴代6位の勝率.716(162試合116勝46敗)を記録したのが最後だ。
独走で地区優勝した去年のアストロズや一昨年のレッドソックスでさえ勝率.700に届かなかったことを考えると、たとえ60試合に大幅短縮されても最高勝率はそう変わらないのではないかと思う。
<過去10年のシーズン最高勝率ランキング>
2019年 アストロズ .660(107勝55敗)
2018年 レッドソックス .667(108勝54敗)
2017年 ドジャース .642(104勝58敗)
2016年 カブス .640(103勝58敗)
2015年 カージナルス .617(100勝62敗)
2014年 エンゼルス .605(98勝64敗)
2013年 レッドソックス .599(97勝65敗)
カージナルス .599(97勝65敗)
2012年 ナショナルズ .605(98勝64敗)
2011年 フィリーズ .630(102勝60敗)
2010年 フィリーズ .599(97勝65敗)
今シーズンの60試合で40勝(20敗)すれば、昨年と一昨年の最高勝率チームであるアストロズやレッドソックスに匹敵する勝率.666に到達する。最高勝率ではなく、地区優勝とワイルドカード争い=プレーオフ進出の最低条件を考えるのなら、36勝(24敗)で勝率.600に達するので、その辺りがボーダーラインになるのではないだろうか。