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693日ぶりの復帰登板で大乱調。
『サンデー・ショウヘイ』は続くか。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2020/07/28 15:00
開幕3戦目で2年ぶりの公式戦マウンドにあがった大谷翔平だが、3安打3四球5失点で1つのアウトも取れずに降板した。
『二刀流』出場は予想以上にハード。
『二刀流』の取り組みは周囲が思う以上に過酷であり、時間と体力を奪う。才能あるアスリートが多く輩出されるメジャーリーグの世界でも、近代野球では誰も成し得ることではなかった。それを大谷翔平は「ノーマル」なこととして取り組み、ここまでやってきた。
だが、トミージョン手術からの最終調整段階での「二刀流」出場は本人の予想以上にハードなものとなってしまった。コロナウイルスの感染拡大が松坂やダルビッシュの様な準備環境を奪い、更には2020年シーズンに大谷に課せられたメジャー関係者の期待は大きかった。
『コロナ禍からの救世主』
二刀流を決断した本人とスタッフ。
投手・大谷だけを考えれば、打者出場を断念し、投げ込みや実戦形式での登板を繰り返すことも出来た。そうすれば、右肩や肘に張りを作っては休ませるという必要な作業に専念し、実戦に耐えうる強度を作り上げることも出来る。
だが、彼らは「二刀流」として出場しながら、投手としての状態を上げていくことを決断したのである。依然として、リハビリ過程。これが現状と考えるべきであろう。
今後も『サンデー・ショウヘイ』は続く。我々は彼に結果を早急に求めるのではなく、今はひとつひとつ課題を消化して行くその内容を見守るべきであろう。
160キロの剛速球を投げ込み、豪快な特大弾を打ち込む、彼本来の「二刀流」の姿はもう少し時間がかかるだろう。