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風間八宏の革命はJを飛び越える。
女子でも高校生でもサッカーは同じ。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byShinya Kizaki
posted2020/07/25 09:00
キャリアのある選手たちにとっても、風間八宏の理論はサッカーの新しい側面を照らす光なのだ。
選手たちは早くも風間流に適応中。
初指導から約2カ月、すでに選手たちに変化が見られている。センターFWとしてプレーするキャプテンの左山桃子(元U-23女子日本代表)は、充実した表情で言った。
「昨年までアルビレックス新潟レディースにいたんですが、大学時代にプレーしていたこのチームに戻ってきました。今までいろんな指導者の方と出会い、細かい技術について意識はしてきましたけど、あらためて『止める・蹴る』に徹底的に取り組むと簡単ではないなと。
特にボールを止めながらのターンは、風間さんを見ていたら簡単に感じるんですけど、いざやってみると全然できなくて。サッカー人生の中でまた違うことを教わっているので、すごく勉強になります」
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大化けするかもしれないのが、右サイドのアタッカー、藤田桃加だ。小学生のときに陸上の100mで静岡県2位になった実績がある快速で、本田監督は「速さだけなら川澄奈穂美レベル。1速から5速に入れられる。一皮むけたら世間がびっくりするかもしれない」と評し、先発候補に考えている。
藤田は悪戦苦闘しながらも、手応えを得ていた。
「自分はスピードが武器で、それをどう生かすかばかり考えていたんですね。でも風間さんが『しっかり1回ボールを停止させてから、自分のプレーに入ってごらん』と言ってくれて。それを意識してやっていたら、前よりは本当に少しですけどできるようになってきた。頭がパンクしそうで、まだ楽しいところまでは行ってないですけど、成長してるのかなって思います」
高校の日本一も狙う?
実は今回、アドバイザーになったのはアスレジーナだけではない。5月、クラーク記念国際高等学校(通信制)の岐阜駅前キャンパスのサッカー部のテクニカルアドバイザーにも就任した。2001年の高校選手権で岐阜工高を準優勝に導いた大野聖吾が監督に就任し、風間が監修するサッカースクール『トラウムトレーニング』と連携していく。
クラークについて質問すると、風間は驚くべき目標を語った。
「学校が掲げている全国優勝という目標のために尽力したい。それと教育もしっかりやりたい。語学力など、社会に出て必要なことと、サッカーに必要なことは結構重複しているから。海外とのつながりも生かして、未来の子供たちを育てていきたい」