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風間八宏の革命はJを飛び越える。
女子でも高校生でもサッカーは同じ。
posted2020/07/25 09:00
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
Shinya Kizaki
やはり風間八宏の指導は、前衛芸術家のような挑戦魂に溢れていた。
「相手にボールをさらして、来い、来いと引きつけろ!」
「パスを出したら味方に寄れ!」
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「動きのジャンケンだぞ!」
静岡SSUアスレジーナの選手たちは戸惑いながらも、新たな世界観を身につけようと必死に風間流に食らいついていた。
2020年5月、女子サッカーチャレンジリーグのアスレジーナは、風間のテクニカルアドバイザー就任を発表した。同クラブの三浦哲治CEOが「おもしろいサッカーを創りたい。手伝ってくれ」と口説き、旧知の本田美登里監督が後押しして実現した(本田は風間の清水商業時代の後輩)。
女子チームでもJ優勝するつもりで。
一般的にテクニカルアドバイザーというと、たまに選手に一言二言スピーチをしたり、外から眺めたりするだけの名誉職のイメージがあるだろう。
風間は違う。5月27日の初指導から、すでに数回練習場を訪れている。風間が担当する日は、すべてのメニューを自ら考え、練習を開始から終了まで取り仕切る。時間は限られているが、本気で風間イズムを注入している。
今年からアスレジーナを率いる本田監督は、岡山湯郷BelleやAC長野パルセイロ・レディースで宮間あやや横山久美などを育てた女子サッカー界の名将だ。ただ、高校時代から3歳上の風間からアドバイスを受けており、長年の信頼と尊敬がある。2人の関係だからこそできる特別なコラボレーションだ。
7月中旬、風間の指導に密着した。練習前にクラブハウスで挨拶すると、風間らしい“指導スタンス”が返ってきた。
「ニュースを見て『女子サッカーも指導するんですね』と言われたんだけど、俺は男子も女子も、子供も大人も、プロもアマも分けてないんだよ。サッカーでやるべきことは同じだから。だからアスレジーナを教えるときにも、『どうやったらこの選手たちでJリーグの王者に勝てるだろう』という発想でやってる。フロンターレやグランパスのときに、レアルやバルサに勝つつもりでやっていたのと一緒。そうじゃないとおもしろいもんはできないでしょ」