サムライブルーの原材料BACK NUMBER
四国ダービー、0-3から逆転の立役者。
愛媛FCのラッキーボーイ・西岡大志。
posted2020/07/18 09:00
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
EHIME FC
勢いのあるチームには、勢いをもたらすラッキーボーイがいる。
「ボーイ」と付くくらいだから基本的に若い選手が対象だとは思う。18歳ながらレギュラーに定着しつつある横浜FCの斉藤光毅などはまさにそうだ。
ただ、「チームに好影響を与える伸び盛りの選手」と定義すれば、真のブレイクまで至っていない選手もその範疇に入ってくる。
川崎フロンターレを首位に押し上げた26歳、長谷川竜也もいい。苦労してきた分“弾け感”と“チャンスをものにしてやる感”がビンビン伝わってくる。
そうなのだ。
忌野清志郎が優しく歌い上げる「ラッキー・ボーイ」が頭のなかに流れる。
<だけどLucky Boy 本当は運がいいのさ きょうはちょっとついてないだけさ>
失敗しても前を向こうとするboyへの応援ソングだった。
“四国ダービー”で見つけたラッキーボーイ。
再開したJリーグに、ラッキーボーイを見つけた。忌野清志郎の世界から、飛び出してきたようなラッキーボーイを。
J1に先駆けて再開となったJ2。
6月27日、ニンジニアスタジアムでは愛媛FCと徳島ヴォルティスの“四国ダービー”がリモートマッチで開催された。
前半、愛媛はセットプレーから3点を徳島に奪われて0-3で折り返す。
システムを4バックから3バックに変更した川井健太監督、後半スタートから5人交代制を利用して一気に3枚替えという大胆策に打って出る。そこから3点を返して同点に追いつき、アディショナルタイムも提示された8分のうち5分を過ぎた。