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世界サッカー史上最高の無観客試合だろ!
7月4日の浦和と82歳の「死んでもいい」。
text by
近藤篤Atsushi Kondo
photograph by(c)A.KONDO/URAWA REDS
posted2020/07/15 15:00
荘厳な美しさを見せていた、7月4日の無観客試合となった埼玉スタジアム2002。
多くのクラブが頑張った、あの光景を忘れない。
実を言うと、この日スタジアムに来るまで、僕はけっこうムカついていた。
何に?
だって先週末、浦和レッズだけじゃなく、いろんなスタジアムでいろんなクラブがあんだけ頑張って見せたはずの光景やメッセージは、その翌日以降、特にバズることもなく、あっという間にメディアやSNSの世界から消えていったから。
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あの日、スタジアムに取材に来てた人たちは一体何を見てたんだろう? と。
午後7時4分、J再開後三試合目、浦和レッズ対鹿島アントラーズ戦が始まる。
スタジアムに集まった3094人のサポーターたちは席から立ち上がり、自分の手のひらが生み出すことのできる最大のボリュームの拍手で、選手たちを応援する。北ゴール裏で写真を撮りながら、振り返ってスタンドをみると、あの82歳の母も懸命に手を叩いている。
まあそうイラつかなくてもいいか。
落ち着いて考えてみれば、サッカーは別にどこにも逃げやしないさ。