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世界有数のタレントかつ超気分屋。
ポグバを生かすための“トリセツ”。 

text by

粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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photograph byGetty Images

posted2020/07/09 11:40

世界有数のタレントかつ超気分屋。ポグバを生かすための“トリセツ”。<Number Web> photograph by Getty Images

ブルーノ・フェルナンデスなど将来性のある選手が加わったユナイテッド。あとはポグバに本領発揮してもらうだけなのだ。

4-2-3-1の中盤センターで水を得た魚。

 現在のユナイテッドは4-2-3-1が基本陣形だ。シェフィールド戦、ブライトン戦、ボーンマス戦と、大きな破綻もなく進んでいる。

 ポグバも中盤センターに位置し、水を得た魚のようだ。相棒のネマニャ・マティッチにビルドアップを託し、B・フェルナンデスとともに攻撃のタクトをふるっている。

 3週間で残りの5試合を消化する過密日程であること、マティッチが31歳であることを考慮すれば、若干のローテーションを図らなければならない。

 マティッチに代わってスコット・マクトミネイが、あるいはフレッジがスターティングメンバーに名を連ねるケースもあるだろう。彼らは運動量が豊富で、守備意識も高いが、マティッチのようなビルドアップ能力はない。

 とはいえ、陣形を変えたり、守りに入りすぎたりして、ポグバをベンチに置くプランは絶対に避けるべきだ。ジョゼ・モウリーニョ前監督もポグバをコントロールしようとして失敗した。

 クラブより個人を優先するポグバにも非はあるとはいえ、この男を鎖で縛ったところでいいことはない。4-2-3-1の中盤センターで溌溂としている現状キープが肝要だ。

これまでの我儘は許してやっても。

 第33節のボーンマス戦は5-2の大勝だった。ポグバも芸術的ロングパスを次々に配し、攻撃を活性化していた。

 気分屋の彼のことだから些細なプレーで集中力が切れ、不貞腐れてしまうかもしれない。しかし、直近3試合の出来はユナイテッド移籍後ベストであり、さすがという以外にない。

<これからもどうぞよろしくね。 こんな私だけど笑って許してね。 ずっと大切にしてね。 永久保証の私だから。>

 西野カナは『トリセツ』でこうも歌っている。

 この際、これまでの我儘は許してやった方がいいかもしれない。今シーズン終了までは大切にしよう。

 永久保証? そればかりはちょっと考えた方がいい。あのライオラが背後にいるかぎり、全面的に信頼するわけにはいかない。

 数日後に、ひょっとすると数時間後に、移籍をちらつかせることだって十分すぎるほど考えられるからだ。

 ポグバのトリセツは、何度も何度も読み直す必要がある。携帯電話の約款よりも遥かに複雑だ……。

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#マンチェスター・ユナイテッド
#ポール・ポグバ

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