代理人ライオラの影響か悪態をつき。

　また、エージェントを務めるミーノ・ライオラが影響力を行使しようとしすぎているのか、あるいはポグバが “操り人形”を演じているのか、この1、2年は度重なる移籍希望発言で、地元サポーターのヒンシュクを買いまくってきた。

　まだスタジアムが観衆で埋め尽くされていた当時、ポグバがボールをキープするたびに、ユナイテッドの本拠オールド・トラッフォードはブーイングに包まれていた。

　リーグ再開後の彼のパフォーマンスを見れば、手厳しいサポーターも拍手喝采を送るに違いない。しかし、彼らは何度もポグバに騙されてきた。ポグバもしばしば悪態をついた。したがって、たかが3、4試合の好プレーで評価が一転するとは考えにくい。

スールシャールは“信頼”すればいい。

　ただ、現場を預かるオーレ・グンナー・スールシャール監督にすれば、ポグバのような超一流がコンディションを整えて戦列に戻ったのだから、積極的に起用するのは当然だ。

　本心がどうであれ、「ライオラはいけ好かない男」と公言していてもスールシャールはポグバに定位置を与え、B・フェルナンデスとともに攻撃の裁量を委ねている。この人選を意気に感じるか、「やっぱりオレがいなきゃダメなんじゃないか」と、高い鼻がさらに高くなるか。

　いや、たとえ偽りの信頼であっても、今シーズンは残り5試合だ。スールシャールは、表面上ポグバを信頼すればいい。ポグバもライオラがなにか耳打ちしても、聞こえている振りをすればいい。トップ4入りのためには、お互いが利用し合うことがユナイテッドにとって得策だ。

　コロナ禍によって移籍市場の戦略修正を余儀なくされた妥協の産物といえなくもないが、チャンピオンズリーグの出場権獲得は、おそらくスールシャールの続投に直結する。好調を少しでも長く維持できれば、ポグバの評価は再上昇する。

　まさに“ウィン・ウィン”の関係だ。

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