なぜ得点から遠ざかっている？

　1試合を通じたパフォーマンスは申し分のないものですが、得点からは遠ざかっています。これについては、チーム事情が強く影響しています。

　チームのチャンスメイクのほとんどすべてを託されている現状で、シュートまで打つのは難しいと言わざるを得ません。アトレティコ戦の58分に右サイドのニアゾーンへ侵入し、ほとんど角度のないところから左足でシュートを打ちましたが、そこまで深くもぐり込める選手が他にいるでしょうか？ 久保と同じくらいチャンスメイクできる選手がいれば、シュートを打てる機会はもっと増えると思います。

　しかし現状では、自分で決めるよりもまず決めさせる仕事がウェイトを占めています。つまり久保自身は中長距離か角度のないところから、シュートを打つことがほとんどなのです。さすがにこれでは、得点を取るのは難しいということです。

3強相手のフル出場が成長を加速させる。

　それはともかくとして、再開前から含めて10試合連続で先発し、再開後はバルセロナ戦、レアル・マドリー戦、そしてアトレティコ戦と、3強との試合はフル出場した。彼にとっては濃密なアピールタイムで、このところの成長はめざましいものがあります。

　過密日程ですから、疲労はもちろんあるでしょう。そのなかでも、精神的にも肉体的にも逞しさを感じさせています。残り4試合でさらにまた、成長につながる経験を積んでいくことが期待できます。