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3人の監督が予測困難なJ2を語る。
「我々にはチャンス」「楽しみ」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/06/27 08:00
サポーターをスタジアムに迎え入れるにはもう少し時間がかかるが、ついにサッカーのある日常が帰ってくる。
「この状況も楽しむぐらいの気持ちで」
そういったこともすべて受け入れていく覚悟が、各チームの監督と選手たちには求められるのだろう。’09年から12年連続でJリーグのクラブを指揮している高木監督は、落ち着いた口調で語る。
「プレーオフが無くなったぶん、J1昇格の難しさは増したでしょう。でも、自分たちは自動昇格を目標にしていますので、気持ちの変化はありません。これからどんなことが起こるのか分かりませんが、色々なことをあらかじめ想定しておきながら、この状況も楽しむぐらいの気持ちで臨みたいですね」
秋葉監督も声を弾ませる。2月の開幕戦ではホームで大宮に競り負けたが、躍動感あふれるサッカーは大いなる可能性を感じさせた。
「全選手のコンディションが上がってきていて、誰をスタメンに選ぼうか本当に悩みます。ブンデスリーガを観ていても、イレギュラーなことが起こっています。変化を受け入れて、察知して、いち早く対応する。細心の注意を払いながら、大胆に戦いたいですね」
Jリーグが開催されることへの感謝を。
誰も経験したことのないシーズンだからこそ、瞬発力を発揮して課題を克服し、なおかつ「自分たちらしさ」を見失わない。さらに言えば、そんなシーズンだからこそ、サッカーができる喜びを心に刻み、Jリーグが開催されることへの感謝を表現するチームが、勝利を引き寄せていくに違いない。自分のためではなく誰かのために戦うとの思いは、困難を乗り越える支えとなっていくからだ。