球体とリズムBACK NUMBER
クロップ「攻撃が物足りなかった」
リバプールと南野拓実に勘は戻るか。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2020/06/22 19:30
南野拓実は素早い守備の切り替えを見せつつ、シュートチャンスの場面も作った。優勝目前の中、チームとともに試合勘を取り戻せるか。
クロップが口にした「物足りなさ」。
「我々にふさわしい勝ち点1を手にしたが、終盤にエバートンがこの試合で最大のチャンスを得た」とクロップ監督はゴールレスドローに終わった一戦を振り返り、このようにも評している。
「長い中断明けの試合のパフォーマンスとしては満足している。フィジカルの準備は整っていたし、守備は固かった。だが試合に勝つには、攻撃面が物足りなかった」
そこを充実させる要素はいくつかあるはずだが、試合勘もそのひとつだろう。実戦でしか養えない感覚──それはある程度プレーした者にしかわからない独特の勘のようなものだ──が戻って来れば、また惜しいシーンも増えるのではないだろうか。
どれほどトレーニングでうまくいっても、公式戦のピッチでその通りにプレーするのは、言うほど容易ではない。そして攻撃面こそ、その感覚のすり合わせが重要になると思う。
再開初戦も白星を逃してしまったが、いずれにせよリバプールは今季のプレミアリーグを制すはずだ。1日でも早く中断前の停滞感を払拭し、またあの迫力ある攻撃が蘇り、30年ぶりのリーグ優勝を清々しく決めてくれるといいのだけれど。