ツバメの観察日記BACK NUMBER
ヤクルト版“新しい観戦様式”。
僕はホテルの窓越しに開幕戦を見た。
posted2020/06/22 17:00
text by
長谷川晶一Shoichi Hasegawa
photograph by
Sports Graphic Number
きっかけは、6月5日に投稿された動画付きの1本のツイートだった。つぶやいたのは「日本青年館ホテル」。それはこんな内容だった。
東京アラートが発動され、一進一退の状態が続き心配がつきませんね…
さて、本日は先日ご紹介した神宮球場側確約プランの客室紹介をさせて頂きます。
#日本青年館ホテルの多くの客室窓には呼気口があり、十分に外気を取り込む事ができます。
先日は#神宮球場から臨場感溢れる音が聞こえていました。
添付されている動画は客室のドアが開くところから始まり、カメラはそのまま室内に入っていく。部屋の突き当りにある窓まで行くと、眼下に広がるのは神宮球場のダイヤモンド。客室窓の呼気口を開けると、聞こえてくるのは神宮球場ウグイス嬢による「五番サード、堂上」のアナウンス。
唯一の「神宮生観戦」ができる方法。
2017(平成29)年8月1日にリニューアルオープンした日本青年館ホテル。神宮球場の三塁側後方、ライトスタンドの正面にそびえたつホテルだ。都内在住で神宮球場に頻繁に通うこともできる自分にとって今まで縁がなく、「わざわざ客室から野球を見ることもないだろう」と考えていた。
しかし、新型コロナウイルスによる、当面の無観客試合が決定した今、唯一の「神宮生観戦」はこのホテルから眼下を食い入るように見つめることしか方法はない。
不要不急の外出は控えなければならないこのご時世に、わざわざホテルに宿泊してもいいものなのかどうか? 後ろめたさがなかったわけではないが、試しに公式ホームページにアクセスしてみると、開幕日である6月19日にはまだ空きがある。
迷いはしたものの、ちょうどこの日は昼過ぎに青山で打ち合わせがある。ならばこの日は自宅に帰らず、そのまま青山に泊まろうか? 気がつけば、あっという間に予約完了していた……。