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ロナウジーニョ「早く帰りたい」
バルサ愛を語る一方で勾留長期化。 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2020/06/20 20:00

ロナウジーニョ「早く帰りたい」バルサ愛を語る一方で勾留長期化。<Number Web> photograph by Getty Images

2007年、メッシにアドバイスするロナウジーニョ。バルサで輝いていた頃の彼が戻ってきてほしい。

キーマンのロペスがいまだ逃亡中。

 なぜこのような状況が続くのかというと、捜査が遅々として進んでいないからだ。

 最大の障害は、事件のカギを握るはずのロペスが3月7日に逮捕状が発行されたにもかかわらず、逃亡を続けていること。

 国外へ逃げた可能性があり、パラグアイ警察はインターポール(国際刑事警察機構)を通じて国際手配しているが、手がかりすらつかめていない。
 
 またブラジル、パラグアイ両国が加盟するメルコスール(南米共同市場)の市民は自国のIDカードだけで域内の国に出入国できるにもかかわらず、なぜわざわざパラグアイのパスポート(しかも偽造!)を提示したのかという疑問も解けていない。

 ロナウジーニョらは、「ロペスからプレゼントとして手渡された。偽造とは全く知らなかった」としか答えていないが、今後、ロペスらと組んでパラグアイ国内で違法の経済活動をするつもりで取得したのではないか、と疑われている。

 ただし、その真偽もロペスを取り調べなければわかりにくい。

怪しい“慈善事業”の片棒を担がされ。

 ロペスは、外国製高級車の輸入と販売、牧畜業などを手掛ける実業家とされる。

 かつてアルゼンチンの雑誌に「自分はビジネスが好きだが、人生で最も重要なものはお金ではない。ビジネスで得た収入で恵まれない人々を助けることに、私は最大の喜びを感じる」などと、もっともらしいことを語っていた。ただ実際には、慈善団体を隠れ蓑として、脱税をしたり違法に蓄えた金を洗浄していたらしい。

 ロナウジーニョは、知ってか知らずか、“汚れた天使”ロペスの怪しい“慈善事業”の片棒を担いでいた。また、オンライン・カジノの広告塔を務める予定だったが、ブラジルでも違法の賭博組織に自身が所有する建物を貸与していたと報じられ、賭博関係者とのつながりが疑われている。

 自身の半生を描いた「人生のスーパースター」のプロモーションをすることになっていたが、皮肉にも、ピッチの中ではともかく人生においてはそうではないことが明らかになった。

【次ページ】 捜査当局は10数人を逮捕したが。

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